
内乱特別検察官法(特検法)、金建希(キム・ゴンヒ)特検法、海兵隊員殉職事故特検法の3つの特検法が与党「共に民主党」の主導で5日、国会本会議を通過した。内乱終結を最優先課題に掲げる李在明(イ・ジェミョン)大統領が過半数に近い得票で当選したことで、同党が立法を通じた「内乱審判」の迅速な実施に動いた形だ。
国会は同日午後、本会議で内乱特検法、金建希特検法、海兵隊員特検法、検事懲戒法を処理した。3つの特検法は、それぞれ在席198人のうち賛成194、反対3、棄権1で可決された。野党「国民の力」はこれらの法案に対し、党方針として反対を決定し、大多数の議員が採決に参加せず退場した。
内乱特検法は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領による昨年12月3日の「非常戒厳」宣布に関連する内乱および外患誘致行為など計11の犯罪疑惑を捜査する内容を含む。当初提出された案では、特別検事補4人、派遣検事40人以内で捜査チームを編成する予定だったが、今回通過した修正案では、特別検事補6人、派遣検事60人に増員された。特別検察官候補は、民主党が1人、交渉団体ではない政党のうち議席数が最も多い祖国革新党が1人を推薦することとなる。
金建希特検法は、尹氏の妻である金建希氏に関連する「ドイツモーターズ・三扶(サムブ)土建」の株価操作疑惑、高級ブランドバッグ受領疑惑、国政および人事介入疑惑などを捜査対象とする。海兵隊員特検法は、海兵隊員殉職事故に対する捜査介入や隠蔽疑惑全般が対象となる。
金建希特検法と海兵隊員特検法の派遣検事の規模は、それぞれ40人、20人だ。内乱特検法と合わせると、3つの特検法に投入される派遣検事の数は最大120人にのぼり、地方検察庁規模の特検が設置されるとみられている。
民主党は、これら3つの特検法の処理を尹氏の任期中に数回試みたが、大統領および大統領権限代行の再議要求権(拒否権)行使に阻まれ、度々廃案となった。金建希特検法と海兵隊員特検法は、それぞれ4回、3回国会を通過したが拒否権行使により廃案となり、内乱特検法も2回拒否権が行使された経緯がある。李氏は、これらの法案が送付され次第、即座に公布するものと予想される。
「国民の力」は、内乱特検法と金建希特検法の捜査対象に「捜査過程で認知された関連事件」が含まれている点に反発している。これは、捜査の矛先が「国民の力」議員に向かう可能性があるとの懸念による。
權五赫 hyuk@donga.com