
「12・3非常戒厳」を巡り、尹錫悅(ユン・ソクヨル)前大統領に対する内乱首謀者容疑の特別検察官の求刑が9日に行われる。全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領が裏金や内乱罪などで起訴されて以来、約30年ぶりに内乱罪を巡る捜査当局の判断が示されることになる。特検の求刑後、尹氏に対する1審判決は来月言い渡される見通しだ。
●「全斗煥の内乱」1審は死刑、最終的に無期懲役
ソウル中央地裁刑事合議25部は9日、尹氏の内乱首謀者容疑事件の結審公判を開く。昨年1月26日に尹氏が拘束起訴されてから348日が経った。内乱重要任務従事容疑で併せて審理されてきた、金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官、趙志浩(チョ・ジホ)前警察庁長官ら軍・警察の首脳部7人の公判も同日で終結する。
同日の公判では、特検による尹氏の求刑と、各被告人の最終陳述が予定されている。刑法は、内乱首謀者罪について「死刑、無期懲役または無期禁錮」に処すると規定する。法定刑が3つに限られているため、特検はこの中から1つを選んで求刑するとみられる。検察が法定刑を下回る量刑を求める例はほとんどない。
一方、裁判所がこれより軽い刑を言い渡すことは可能だ。被告人が罪を認めて反省している場合や、被害が大きくないなどの事情があれば、裁量で減刑できる。ただしその範囲は法律で制限される。死刑を選択したうえで減刑する場合は、無期懲役または20~50年の懲役・禁錮から選ばなければならず、無期懲役や無期禁錮を選択して減刑する場合は、10~50年の懲役・禁錮となる。内乱首謀者罪では、減刑があっても少なくとも10年以上の懲役・禁錮は避けられず、執行猶予は認められない。
憲政史上、内乱首謀者罪で判決が言い渡された事例は、12・12軍事クーデターを起こした全氏のみとされる。このため裁判所も同事件を参考に量刑を定めるとみられる。
1996年の1審では、検察が内乱首謀や内乱目的殺人などの罪で起訴された全氏に死刑を求刑し、裁判所はこれを認めた。だが2審で無期懲役に減刑され、大法院全員合議体で無期懲役が確定した。併せて裁かれた盧泰愚(ノ・テウ)元大統領は内乱主要任務従事罪で懲役17年が確定した。検察の求刑は無期懲役、1審判決は懲役22年6カ月だった。
ただ、12・3非常戒厳では人的被害がなかった点や、戒厳の継続時間が相対的に長くなかった点などを踏まえると、全氏の事件と単純に比較することはできないとの見方もある。ある部長判事は「12・3非常戒厳を新軍部クーデターに準じる状況と見るかが焦点だ。そうでないと判断すれば、最終量刑は法定刑より減じて定められるだろう」との見通しを示した。
●特検、直前まで求刑内容に苦慮
特検は8日まで協議を重ね、求刑内容を検討した。尹氏が反省の態度を示さず、責任を部下に転嫁しているとして、減刑事由はほとんどないとの意見も特検内部で出たとされる。特検はまた、8人の被告それぞれについて求刑理由を説明したうえで求刑するか、全被告人の量刑を最後にまとめて示すかについても議論したという。特検関係者は「量刑を示す場面で、法廷内の支持者が騒然となる可能性があり、それに備える狙いだ」と説明した。
尹氏は結審に向かう公判でも、非常戒厳の宣布は「警告的なものだった」との主張を続けた。さらに「戒厳逆風」を警告しなかった閣僚ら側近を責める発言も出た。5日の公判で尹氏は「(首相や閣僚が)最低限の政治的感覚があれば、大統領に『野党から反撃を受けるのではないか』と言うべきだったが、そう言う者は一人もいなかった」と述べた。
ソン・ヘミ記者 1am@donga.com






