Go to contents

「大統領を盾に国家を揺るがす」 二度と許されぬ「V0」ファーストレディー

「大統領を盾に国家を揺るがす」 二度と許されぬ「V0」ファーストレディー

Posted December. 30, 2025 09:49,   

Updated December. 30, 2025 09:49


金建希(キム・ゴンヒ)特別検察官(特検)が、180日間の捜査結果を29日に公表した。特検は、金氏が大統領に準ずる影響力を行使して国政と選挙に介入したと結論づけ、「大韓民国の公的システムが大きく崩れた」と指摘した。金氏はドイツモーターズ株価操作や、ミョン・テギュン氏を通じた公認介入などの疑惑で捜査線上に上りながら処罰を免れ続け、公職の提供などを餌に3億7000万ウォン余りの金品を受け取れたのは、夫の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領を後ろ盾に権力をふるった結果だと、特検は判断した。

特検はとりわけ、「金氏が歴史書でしか見られないような現代版の売官売職を繰り返した」と断じた。「V0」と呼ばれた金氏の威勢がどれほどだったかは、金品を提供した人々や事件関係者の供述からも、ありありと確認されたという。特検によると、彼らはいずれも「金氏に請託すれば望むことを実現するのに役立つと考え、請託ルートにした」と供述した。金氏に持ち込まれた請託は、そのまま実現されたというのが捜査結果だ。統一教会や瑞熙(ソヒ)建設などが高級ブランドのバッグやネックレスを抱えて金氏を訪ねるのは、間違った選択ではなかったという話になる。

何の公的地位もない金氏が、公職人事などに介入できたのは、 尹氏の助力なくしてはあり得なかったというのが常識だ。金氏への人事請託が実現する過程に、尹氏の関与を考えずに済ませる★のは難しい。尹氏が金氏の金品受領を知っていたなら、贈収賄罪の適用も可能だが、尹氏は特検の調べで「全く知らなかった」と否定したという。この部分は警察庁国家捜査本部に送致された以上、追加捜査は必ず行われるべきだ。

尹氏の側近が金氏をかばった情況も、特検捜査で明らかになった。特検は、金氏が大統領官邸の工事業者選定に関与する過程で、大統領職引継委員会の高官が介入したとした。金氏が法務部長官などを通じ、自身が関係するドイツモーターズ株価操作疑惑、ディオールバッグ受領疑惑の捜査状況について報告を受けていた可能性を示す手がかりもつかんだ。いずれも追加捜査で、詳細な真相が解明されねばならない。

ほかにも、特検が時間不足などで解明できなかった疑惑は少なくない。楊平(ヤンピョン)高速道路のルート変更疑惑、イム・ソングン元海兵隊第1師団長の「助命ロビー」疑惑などが代表例だ。一つ一つが金氏の国政介入と直結する事案であり、徹底した真相究明が不可欠である。