わが国の人口20人に1人は、自身または両親のうち少なくとも1人が外国籍を持つ外国にルーツを持つ人口だ。多文化配偶者とその子ども、帰化者、3カ月以上国内に滞在した外国人を含む外国ルーツ人口は、昨年は271万5000人で、総人口の5.2%を占めている。全南霊岩郡(チョンナム・ヨンアムグン)、忠北陰城郡(チュンブク・ウムソングン)、京畿安山市(キョンギ・アンサンシ)など外国ルーツ人口が総人口の10%以上を占める市郡区も17カ所に増えた。その規模だけ見れば、外国ルーツ人口はすでに社会の主要構成員となっている。
国家データ庁は、外国ルーツ人口が2040年には総人口の6.4%を占めると見通す。しかし、彼らに対する嫌悪と差別はむしろ深刻化しているとの指摘がある。5月、国連人種差別撤廃委員会は「韓国社会で外国ルーツ住民・難民に対する人種差別的ヘイト発言がオンライン・オフラインで持続的に増加している」と懸念を示した。経済不況や犯罪不安を外国人のせいにし、社会全般に外国ルーツ人口への否定的認識が広がっているのだ。移民を先行して拡大してきた欧州諸国は、移民を「二級市民」として放置した結果、深刻な社会対立を経験した。経済難を背景に反移民世論が台頭すると、極右勢力が中央政治にまで進出した。
少子高齢化で生産年齢人口が減少する中、移民拡大は前提として受け止めるべきだ。現在の外国人雇用政策は、低賃金・低熟練の労働力を短期的に補うことに重点を置いている。外国ルーツ人口を安価な労働力としか見なさないなら、欧州の失敗をそのまま辿ることになる。彼らを熟練技術者へと育成し、韓国に定着できるよう移民政策を正しく設計すべきである。 特に24歳以下の外国ルーツ児童・青少年はすでに74万人に達する。しかし多文化家庭の高校中退率は2.33%に及ぶ。内国人との格差は縮まったとはいえ、大学進学率は平均61.9%にとどまる。韓国語教育と基礎学力強化で韓国社会への適応を支援しなければならない。
何より外国ルーツ人口をよそ者として排斥する文化が変わらねばならない。外国人嫌悪情緒をあおって党派的利益を得ようとする政治圏も自制すべきだ。彼らを社会の一員として包容できなければ、低成長の荒波を乗り越える活力を得られないばかりか、社会統合を阻害するブーメランとなるだろう。
アクセスランキング