
ブラジル・リオデジャネイロ州当局が28日、スラム街ファヴェーラで史上最大規模の麻薬密売組織摘発作戦を実施する過程で、警察官を含め少なくとも64人が死亡したと、米紙ニューヨーク・タイムズなどが報じた。爆弾や銃声が響き渡り、住宅街の至る所で炎が上がるなど、逮捕現場は戦場さながらの状況となった。現地では警察官4人が死亡し、住民の一部も銃創を負うなど、過酷な作戦実行への批判も出ている。
州政府は同日、「15年ぶりに最大規模の組織犯罪者活動地域の封鎖作戦を行い、81人の組織員を逮捕、72丁の小銃と大量の麻薬類を押収した」と発表した。リオデジャネイロ州のクラウジウ・カストロ知事は「今回の摘発作戦に向け、1年以上の捜査と60日間の計画確認を行った。警察は裁判所が発付した数百件の逮捕・捜索・押収令状を執行した」と述べた。
今回の作戦の目標は、同地域で最も悪名高い犯罪組織「コマンド・ヴェルメーリョ(Comando Vermelho)」の構成員を大規模に摘発することだった。コマンド・ヴェルメーリョは1970年代にリオデジャネイロの刑務所で結成され、麻薬・武器の密売、殺人、誘拐などを行い、スラム街を中心に影響力を拡大してきた。
州政府はスラム地域内の26の拠点を対象に摘発作戦を展開した。約2500人の警察・保安要員に加え、ヘリコプター2機、装甲車32台、特殊戦術車両12台が投入された。同紙は「組織の構成員は警察の突入を阻止するため、住宅や建物に火を放ち、バスで道路を封鎖して抵抗した」と報じた。さらに無人飛行機(ドローン)を使って爆発物を投下することもあった。
警察と犯罪組織の大規模な衝突で、現地の学校は緊急休校となり、一時はリオ国際空港に通じる主要道路も閉鎖された。カストロ氏は「連邦政府に支援を要請したが受け入れられなかった。このような戦闘には軍部隊など、より大規模な支援が必要だ」と話した。
特に多数の死傷者が出たことで、作戦への批判は強まっている。ダニ・モンテイロ州議員は「警察作戦における暴力が必ずしも効果を生むわけではない。本日リオデジャネイロで起きたことは野蛮だ」と指摘した。
今回の作戦は、麻薬との戦いを展開するトランプ米大統領を意識した措置との分析もある。英紙フィナンシャル・タイムズは「トランプ政権は今年初め、ブラジルに対しコマンド・ヴェルメーリョなどの犯罪組織をテロ組織に指定することを検討していると通告した」とし、「彼らはアマゾンのジャングルでコカイン密輸ルートを運営し、全国規模の犯罪企業に成長した組織だ」と報じた。
金聖模 mo@donga.com






