
李在明(イ・ジェミョン)大統領は30日、検察を念頭に「検事たちが成立もしない事件を起訴し、無罪となれば免責を狙って控訴や上告をして国民に苦痛を与えている」と批判した。政府組織法改正案を閣議決定し検察庁の廃止を決めたのに続き、検察による無分別な控訴・上告の慣行を制限する刑事訴訟法改正の必要性にも言及した。
李氏は同日、龍山(ヨンサン)の大統領室で開かれた閣議で鄭成湖(チョン・ソンホ)法務部長官に「(検察が)刑事処罰権を乱用して国民を苦しめているのではないか。なぜ放置しているのか」と問いただした。さらに「気に入らなければ起訴して苦しめ、自分の側なら罪が明白でも見逃すのではないか」と述べ、「疑わしきは被告人の利益にという無罪推定の原則は刑事訴訟法の大原則であり、10人の犯人を逃しても1人の冤罪を作ってはならない」と強調した。
李氏は特に、一審で無罪判決が出た事件を機械的に控訴・上告する慣行を批判した。そして「検察が一審無罪に控訴して有罪に覆る確率はどれほどか。98.3%は(再び)無罪を確認するために金を使い苦痛を受けるのか」と指摘し、「国家がなぜここまで国民に残酷なのか」とも述べた。
これに対し鄭氏は「明白な法理争いの場合や極めて重大な例外的状況を除き、控訴や上告を禁じるよう刑訴法を改正すべきだ」とし、「まずは大検察庁の関連事務規程を改め、控訴・上告を制限する」と応じた。これにより、検察の控訴・上告を制限する刑訴法改正が定期国会で推進される見通しだ。
野党は「大統領1人を救うためなら既存の司法システムを壊してもかまわないということか」と反発。「国民の力」の張東赫(チャン・ドンヒョク)代表は「(李氏の)公職選挙法違反の二審無罪が大法院(最高裁)で(有罪趣旨破棄差し戻しに)覆らなかったか」とし、「残る4件の裁判も一審で運よく無罪なら控訴禁止、二審で無罪なら上告禁止と『三重ABSに後部エアバッグまで装着するようなものだ』」と皮肉り、「斬新な発想に拍手を送る」と述べた。
同日の閣議では政府組織法改正案も議決され、検察庁は1年の猶予期間を経て2026年10月2日に閉鎖される。1948年8月の政府樹立とともに設立された検察庁は78年で看板を下ろすことになる。検察の犯罪捜査機能は行政安全部傘下の重大犯罪捜査庁へ、公訴権は法務部の新設組織「公訴庁」へ移管される。施行までに政府横断の検察制度改革タスクフォースが補完捜査権など細部を詰める予定だ。
ユン・ダビン記者 キム・ジュンイル記者 empty@donga.com






