
李在明(イ・ジェミョン)政権が南北関係回復のカードとして、北朝鮮への個人観光を検討していることが分かった。2008年のパク・ワンジャさん射殺事件により全面中止となった金剛山(クムガンサン)観光などの団体旅行ではなく、中国やロシアなどを経由した個人観光を許可する可能性があるという。北朝鮮との対話再開に向けたカードを具体化する動きとみられる。
20日、与党によると、大統領室や統一部など関係省庁は最近、北朝鮮への個人観光に関する検討に着手した。李氏が初めて主宰した10日の国家安全保障会議(NSC)全体会議で関連内容が言及されたという。
李氏は22年1月、大統領選候補だった時、「個人観光は対北朝鮮制裁とは関係ない」とし「南北間でも(文在寅政権で)金剛山観光の再開を合意したので、政府が決断すれば十分に可能だと考える」と発言した。
韓国政府が北朝鮮への個人観光を検討しているのは、北朝鮮が最近、元山葛麻(ウォンサン・カルマ)海洋観光地区を開場するなど観光客誘致に乗り出していることから、韓国との関係断絶に動いていても北朝鮮が応じる余地があると判断したためとみられる。ただし、北朝鮮への個人観光カードが現実のものになるには、北朝鮮の呼応はもとより、米国との協議が必要という指摘も出ている。
文在寅(ムン・ジェイン)政権は北朝鮮の観光ビザさえ取得すれば、韓国政府が中国など第三国を経由した訪朝を迅速に承認する方式で個人観光を許可することを推進したが、第1次トランプ政権は懸念を表明した。韓国政府関係者は「長期的に検討している段階」と述べた。
申圭鎭 newjin@donga.com






