今月14日基準でソウルのマンション売買価格が前週比0.19%上昇し、3週間連続で増加幅が減少した。2月に江南(カンナム)圏の土地取引許可区域の規制が解除されてから本格化していたソウルの住宅価格の上昇傾向が、「6・27貸出規制」を機に一服した様子を見せている。李在明(イ・ジェミョン)大統領が貸出規制を主導した金融委員会に対し、連日「よくやった」と称賛するのも頷ける。表面的にはそうだ。
実態を見れば、安心するのはまだ早い。20日、ソウル不動産情報広場によると、今月のソウルのマンション売買件数は1412件。先月の1万1344件の約10%にあたる。1ヵ月分の統計が出るまで、まだ10日ほど残っていることを考慮しても、強力な貸出規制によって売買が事実上止まっているのは確かだ。売買は皆無に近いものの、江南圏の中心地や投資価値の高い再建築マンションなどでは、依然として最高価格の売買が続いている。住宅価格の上昇傾向が鈍化したわけではなく、止まっているだけだ。
売買がないことが、必ずしも肯定的なシグナルではないことは、すでに文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に証明された。当時も政府は、15億ウォン以上の住宅に対して住宅担保ローンを禁止するなど、需要抑制に重点を置いた。しかし、堤防を築いたからといって、流れる川の水を永遠にせき止めることができないように、溢れる需要はどこかに流れ込み、いわゆる「風船効果」を生み出す。むしろ不確実性が高まり、想定外のところで住宅価格が跳ね上がった。規制によって住宅価格を抑えようとする需要抑制策の限界と言えるだろう。
今後、住宅価格の行方のカギは、需要に見合う十分な供給にかかっている。しかし、これまでの李在明大統領と政府関係者の住宅供給に関する発言には方向性があるだけで、具体的な計画は示されていない。大統領選挙の公約でも具体的な計画を提示したことがない「事実上の空白状態」だ。国土交通部長官候補に指名された金潤德(キム・ユンドク)氏は、「国民が望むところに供給する」として再建築・再開発における容積率の緩和など規制緩和を示唆した。同時に「公共の利益と民間の利益がバランスを取らなければならない」という立場も示した。政府が考える公共性のある住宅供給が何なのかは依然として不透明だ。
文在寅政権は「住宅普及率100%達成」という落とし穴に陥り、追加的な売買需要を全て投機目的の「偽需要」と見なし、抑制することに集中した。そのため、政権発足当初、人々が望む都心の再建築は様々な規制で縛り付け、新都市など実効性のない住宅供給ばかり発表した。しかし、この「偽需要」は、実は今後希望する地域の家を買えないかもしれないと考えた20、30代の若年層の「不安需要」だったことを忘れてはならない。
需要抑制策の効果には限界があることを市場参加者はすでに十分に学習した。景気動向や市場環境の 変化次第では、抑制された需要はいつ再び爆発的に増加するか分からない。「6・27貸出規制」は過熱の兆候を示していたソウルのマンション売買市場を一時的に冷やす効果しかないと見るべきだ。 この流れを継続させるためには、長官候補の言葉どおり「人々が望むところ」を狙った具体的な供給計画が示されなければならない。「よくやった」と褒められるにはまだまだ道のりが遠い。
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