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憲法裁判官の任期満了の度に混乱、制度改善が急務だ

憲法裁判官の任期満了の度に混乱、制度改善が急務だ

Posted April. 11, 2025 08:12,   

Updated April. 11, 2025 08:12

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大統領の権限を代行する韓悳洙(ハン・ドクス)首相が、18日に退任する文炯培(ムン・ヒョンベ)、李美善(イ・ミソン)憲法裁判官の後任を電撃的に指名したことをめぐって議論が激化する中、裁判官の任期満了の度に発生する混乱を防ぐ対策が急務だという声が法曹界から上がっている。後任裁判官の任命時まで既存裁判官の任期を制限的に延長する海外の事例などを参考に、憲法裁の安定性を強化する必要があるということだ。

韓国の憲法裁判官の任期は6年と憲法に定められており、任期が終了すると直ちに退任する。後任の任命が遅れると、裁判官の空白が発生せざるを得ない構造だ。特に、与野党間の意見の対立により、国会が推薦する3人の任命が遅れる場合が多い。昨年10月に李悰錫(イ・ジョンソク)憲法裁所長ら国会選出の裁判官3人が退任した後、今年1月に趙漢暢(チョ・ハンチャン)、鄭桂先(チョン・ゲソン)裁判官が就任するまで、憲法裁は2ヵ月以上にわたり「6人体制」で運営された。2011年の曺大鉉(チョ・デヒョン)裁判官の退任後も、14ヵ月間裁判官の空席が続いた。

特異なケースだが、大統領の職務停止や欠位期間に大統領推薦の裁判官の任期が満了して退任する状況が生じる可能性もある。これに対する明確な規定がなく、権限代行は「現状維持」の役割のみを担うべきだという憲法学界の多数説に従い、朴槿恵(パク・クンヘ)元大統領の弾劾当時、黄教安(ファン・ギョアン)権限代行は朴漢徹(パク・ハンチョル)憲法裁所長の後任を任命しなかった。しかし今回、韓氏は憲法裁の空白を防ぐという理由で、違憲・越権の可能性がある指名を強行し、物議を醸した。

憲法裁法上、審理に必要な裁判官の最小人数は7人だが、1、2人の意見によって違憲と合憲、認容と棄却が分かれる可能性があるため、欠員状態で出された決定には正当性に疑問が提起される可能性がある。ドイツの場合、憲法裁判官の任期が満了しても、後任の任命時まで職務を継続することになっている。ただし、任期満了後2ヵ月以内に議会が後任を選出しない場合、憲法裁が裁判官候補を推薦する。政治家が特定の裁判官の任期を意図的に延長することを防ぐためだ。オーストリアのように予備裁判官を置き、裁判官の空白時に投入する国もある。国会選出の裁判官3人の推薦権配分を明文化し、後任者選出の遅延を防ごうという意見も出ている。憲法裁が裁判官の任命問題で機能が麻痺したり、政争の対象になったりすることがないよう、国会は具体的な改善策の策定を急がなければならない。