
4日(現地時間)の米連邦議会上下両院合同会議でのトランプ大統領の施政方針演説に、政府効率化省(DOGE)を率いる実業家のイーロン・マスク氏が、スーツ姿で出席して話題になっている。マスク氏が大統領就任式以来、政府公式行事にスーツを着て登場したのは初めてだ。これをめぐって、最近、ウクライナのゼレンスキー大統領がスーツを着ていなかったことでトランプ氏の機嫌を損ねたことを意識したのではないかと指摘されている。
5日、ホワイトハウスの記者会見で、「ゼレンスキー氏がホワイトハウスにスーツを着用せずに現れ、マスク氏は昨夜スーツを着た。ドレスコードがあるのか」というFOXニュース記者の質問に、レビット大統領報道官は、「ドレスコードはない。マスク氏がスーツを着て、大統領はとても気に入っていたと思う。マスク氏はとても良く見えた」と答えた。「ゼレンスキー氏が追い出されたことに怯えたのか」という質問にレビット氏は、「そうは思わない」と答えた。トランプ氏は先月28日、黒いシャツに戦闘靴を着用してホワイトハウスを訪れたゼレンスキー氏と握手を交わし、「今日はめかし込んできた」と皮肉った。
マスク氏は普段、Tシャツを好んで着る。先月、第2次トランプ政権の初の閣議の時も、シャツにジャケットを身に着け、帽子をかぶったまま出席した。しかし、4日の施政方針演説の時は、青いネクタイを締めてスーツを着た。トランプ氏は同日、「納税者の金を無駄にしないために新しい政府効率化省を設立した。マスク氏が率いる組織だ」と、傍聴席に座っていたマスク氏を呼んだ。さらにトランプ氏が、「非常に一生懸命働いてくれていることに感謝する。みんなが感謝している」と言うと、マスク氏は席を立って観客に向かって挨拶した。
トランプ氏のマスク氏への後押しにもかかわらず、米国内では越権論議が続いている。また、マスク氏に対する反感も高まっている。4日、米紙ニューヨーク・タイムズなどによると、最近、米国各地でテスラの充電器(電気自動車用)に火をつけたり、販売店を攻撃したりする事件が相次いでいる。先月27日、コロラド州デンバー近郊のラブランドでは、テスラの店舗に放火を試み、車を破損した容疑で42歳の女性が逮捕された。
イ・ジユン記者 asap@donga.com