Go to contents

260年ぶりに復元された実学者・洪大容の「渾天時計」

260年ぶりに復元された実学者・洪大容の「渾天時計」

Posted December. 29, 2022 09:15,   

Updated December. 29, 2022 09:15

한국어

文献だけで伝えられていた朝鮮後期の実学者洪大容(ホン・デヨン)の天文時計が、260年ぶりに実物に復元された。

科学技術情報通信部・国立中央科学館は28日、朝鮮後期の天文時計である渾天時計の復元に成功したと発表した。渾天時計は、水または振り子の力で作動する機械装置を渾天儀と連結して節気と時刻などを知らせる天文時計だ。

今回復元された渾天時計は、朝鮮後期の北学派の天文学者・洪大容と湖南(ホナム)の科学者羅景績(ナ・ギョンジョク)が、1762年に創製した機械式天文時計だ。振り子の力で動く目覚まし時計と渾天儀を連結した形態だ。洪大容の著書「湛軒書籠水閣儀器志」に、「統天儀」という名前で記録されている。渾天儀の中に太陽を象徴する太陽模型が一年の節気と一日の時刻を、月を象徴する月の模型が旧暦の日付を知らせてくれる。また、1刻(15分)に1度ずつ鐘が鳴る。

統天儀は、1438年、蔣英實(チャン・ヨンシル)の「欽敬閣玉楼」の発明以来、1669年に天文学者宋以潁(ソン・イヨン)の渾天時計を継ぐ朝鮮伝統科学技術の成果だ。宋以潁の渾天時計が、太陽模型につなげた糸を巻いて、一年間の太陽の運動を具現するのに比べ、洪大容の渾天時計は、いくつかの歯車セットを活用した機械的回転力で、太陽と月の模型を駆動させる。回転力とギア装置だけで、この二つの模型を天体運動に合わせて自動的に運行させたのだ。

洪大容の渾天時計は、文献と機械実験を通じた融合研究を通じて復元が行われた。洪大容の著書に渾天時計の仕様と数学的特性が叙述されたが、文献だけでは天体の形態を推定するのに限界があった。研究チームは、高麗(コリョ)大学博物館およびソウル大学博物館の目覚まし時計に共通して現れる動力発生の特性を分析し、崇実(スンシル)大学韓国基キリスト教博物館の魂の遺物を土台にモデルを設計・製作した。

国立中央科学館の李錫來(イ・ソクレ)館長は、「国民に誇りを鼓吹させるのはもちろん、海外展示を通じた科学韓流の拡大に大きく寄与するだろう」とし、「来春から国立中央科学館の科学技術館に、復元した渾天時計と主な科学原理を体験できる体験展示品を作って展示する」と明らかにした。


チョン・ナムヒョク記者 forward@donga.com