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北朝鮮、憲法に「核使用権限」初明記、領土条項新設し統一・民族概念は削除

北朝鮮、憲法に「核使用権限」初明記、領土条項新設し統一・民族概念は削除

Posted May. 07, 2026 09:07,   

Updated May. 07, 2026 09:07


北朝鮮が3月に改正した憲法で、領土条項を新設し、統一関連の表現を削除したことが分かった。金正恩(キム・ジョンウン)総書記(写真)が国家核武力指揮機構に核兵器の使用権限を委任できるとする条項も盛り込まれた。正恩氏が攻撃を受けた場合、自動的に核兵器を発射できる、いわゆる「核の引き金」体系の法的根拠を憲法に明文化したのだ。

6日に韓国統一部が記者団向けに開いた説明会で北朝鮮の新憲法が公開された。領土条項が新設され、憲法第2条には、「朝鮮民主主義人民共和国の領域は、北側で中華人民共和国、中国、ロシア連邦、南側で大韓民国と接する領土と、それに基づいて設定された領海および領空を含む」と明記された。北朝鮮は従来の憲法にあった統一、民族などの概念も削除した。

「敵対的2国家」政策を宣言した北朝鮮が、憲法を通じて韓国と北朝鮮を境界を接する2国家と規定した形だ。1948年の北朝鮮政権樹立後、北朝鮮が憲法に領土条項を明記したのは初めて。韓半島全体を領土と規定する韓国憲法第3条と相反するだけでなく、境界を巡る認識の違いもあるため、衝突につながりかねないとの懸念が出ている。

北朝鮮は憲法第89条で、「朝鮮民主主義人民共和国の核武力に対する指揮権は国務委員会委員長(総書記)にある」「国務委員長は国家核武力指揮機構に核武力使用権限を委任することができる」と明記した。北朝鮮の核兵器に対する正恩氏の独占的権限を強調するとともに、有事には核攻撃に踏み切る可能性を明確にしたものとみられる。核兵器の使用権限を憲法に明記した例は極めて異例だ。

梨花(イファ)女子大学北朝鮮学科の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授は、「核使用の権限を憲法レベルに格上げし、委任権限まで明記したのは、核の先制攻撃と迅速攻撃を念頭に置いたものだ」とし、「有事の際、正恩氏が決定しなくても自動的に核戦争が始まる可能性があることを意味する」と指摘した。

一方、改正憲法は前文にあった「金日成(キム・イルソン)・金正日(キム・ジョンイル)憲法」という表現を削除し、総書記の権限を強化するなど、金正恩唯一体制を一段と強固にしたと指摘されている。


權五赫 hyuk@donga.com