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人類の新たな挑戦

Posted March. 29, 2021 08:43,   

Updated March. 29, 2021 08:43

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「石器時代は石が不足して終わったのではないように、石油時代も石油が枯渇して終わるのではないだろう」(アフマド・ザキ・ヤマニ)

2000年6月、当時サウジアラビアの石油相だったアフマド・ザキ・ヤマニが、英「テレグラフ」とのインタビューで残した言葉だ。もちろんこの文章は、英エコノミストや他のメディアに以前にも言及されたことがある。必ずしもヤマニが創作したものではないかもしれない。しかし、彼が拡散させたことだけは確かだ。

ソ連崩壊後、混乱の中で苦しんだロシアのエネルギー産業とエリートたちとの関係、そして彼らの対応戦略が国際体制に及ぼす影響などについて関心を持っていた時に接したヤマニのこの言葉は、多くの感動を与えた。

彼の発言は、石油に取って代わる再生エネルギーなど、代案エネルギーが浮上する可能性を見抜いたということを上回る意味がある。産油国のすべてのエリートたちは、単に資源一つにこだわる近視眼の指導者ではないことを意味するのであり、彼らの対応戦略によって産油国の未来は資源だけにかかっているのではない可能性を示唆するものでもあった。

とある特定の力や物質の影響力が、圧倒的な位置を永遠に占めることはできない。最近の新型コロナ事態や過去の歴史に登場した自然災害、そして技術と学問の進歩が導く変化などは、予期せぬ変化への備えの重要性を強調している。現在、人類は石油資源の枯渇ではない異次元の脅威の中で、石油文明の衰退に直面している。世界的にデジタル革命とESG(環境、社会、支配構造)が強調される状況の中で、資源生産富国や資源消費富国は新たな挑戦に直面している。予想できる挑戦と予想できない挑戦が同時に迫った状況の中で、より大きなビジョンと応戦の戦略について考えるべき時だ。