Go to contents

柳賢振かマックス・シャーザーか、サイ・ヤング賞争いでFIP巡り論争白熱

柳賢振かマックス・シャーザーか、サイ・ヤング賞争いでFIP巡り論争白熱

Posted July. 05, 2019 07:37,   

Updated July. 05, 2019 07:37

한국어

昨年、ジェイ子ブ・デグロム(31=ニューヨーク・メッツ)とマックス・シャーザー(35=ワシントン・ナショナルズ)のメジャーリーグ・ナショナルリーグのサイ・ヤング賞争いは興味深い論争を巻き起こした。

防御率1.70でナ・リーグ1位だったデグロムは、勝運に恵まれず勝利数部門で10勝9敗に止まった。一方のシャーザーは防御率は2.53だが勝利数では18勝7敗と上回った。結局デグロムが全米野球記者協会所属記者の投票結果207点を獲得し、シャーザー(123点)を大きく上回り、サイ・ヤング賞を受賞したが、伝統的な指標とされた勝利数が先発投手の能力を表すのに限界があると指摘する声が多かった。

今季の柳賢振(リュ・ヒョンジン=32、ロサンゼルス・ドジャース)とシャーザーの争いも似たような議論を呼んでいる。今度は防御率が争点となった。柳賢振の防御率は1.83で、サージャーは2.43.投手の防御率には、チーム野手たちの守備能力が影響を与える。米国のスポーツ専門メディア「スポーツ・イラストレート」(SI)は4日、「ワシントンは守備に大きな欠陥を抱えているのに対し、ドジャースはリーグ最高の守備力を備えている。もし、守備の要素を取り除けば、シャーザーが柳賢振を明らかにリードしている」と書いた。

SIが、その根拠にあげたのは守備を関係ない防御率(FIP)だ。奪三振、四球、被本塁打など守備の影響を受けない指標だけで算出するFIPは、投手が守備に助けられることなくどこまで失点を抑えることができるのかを示す数値だ。FIPではシャーザーが2.10で柳賢振(2.88)を上回っている。

柳賢振は球速よりは、抜群の制球力と多様な変化球で芯を外して打たせて取るタイプだ。ゴロやフライボールが出た時に守備の助けが必要だ。先月23日のコロラド・ロッキーズ戦で柳賢振は3回に遊撃手の守備ミスで作られた無死1、2塁の場面で、イアン・デズモンドに適時中前安打を許して失点した。この日、柳賢振は6回3失点で勝敗はつかなかった。反面、最高球速157キロの直球で相手打者を圧倒するシャーザーは奪三振170個(メジャーリーグ1位)で、守備が比較的弱いワシントンでも好成績を維持している。

5月までは堅調だった柳賢振の独走態勢は、先月5日以降4試合連続で勝利がつかず、ひびが入ろうとしている。まだイニング当りの出塁許容率(0.90)や奪三振・四球の割合(13.43)など主要指標で首位を走っているが、5月に0.177に止まっていた被安打率が6月には0.269まで上がり、揺れている。SIは、「今直ちにサイ・ヤング賞投票をすれば、大半は柳賢振に票を入れるだろう」としながらも、「守備の支援と関係ない投手個人の能力だけでみると、シャーザーが選ばれてもおかしくない」と書いた。


チョ・ウンヒョン記者 yesbro@donga.com