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シリコンバレー、溢れる電動スクーターと戦争中  

シリコンバレー、溢れる電動スクーターと戦争中  

Posted July. 24, 2018 09:10,   

Updated July. 24, 2018 09:10

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「大きな建物の前にはたいてい、電動スクーターがいっぱい駐車してある」

米カリフォルニア州サンノゼ市内で会った会社員、ドナルド・リトルさんは、記者に電動スクーターのアプリを見せて言った。アプリの地図を見ると周辺に数百台の電動スクーターが駐車してあった。リトルさんは、「このように周辺に電動スクーターが多いので、利用せざるをえない」と話した。

電動スクーターのレンタル方法は簡単だ。アプリで近くにあるスクーターの駐車場を探し、ハンドルについているQRコードをカメラで撮るだけだ。一回のレンタルの基本料金は1ドルで、15分ごとに0.15ドル課金される。時速約20キロで約1時間30分走ることができるバッテリーが装着されている。スクーターを利用した後は、その場にそのまま置いておくだけだ。

電動スクーターのレンタル会社に充電者として登録した人は、スクーターを回収して自宅で充電し、元の場所に置く。充電すれば1台当たり5~7ドルが入るので、電動スクーターの充電を副業にする人も出てきた。

電動スクーターは、公共交通を利用できないところでは重要な移動手段だ。電動スクーターを利用するジェス・クティエズさんは、「歩くのに負担になる距離を早く移動できていい。初めて乗ってみたが操作も簡単なので、これからは利用するつもりだ」と話した。

電動スクーターのレンタル会社は急速に増えている。サンフランシスコだけで12の電動スクーターレンタル会社がある。事業開始10ヵ月で、米22都市で電動スクーターのレンタルをする「バード」は、現在、市場価値は20億ドル(約2兆2710億ウォン)を超える。歴史上、最も短期間で企業価値が1兆ウォンを超える「ユニコーン」企業になった。2016年から電動スクーターのレンタル事業を始め、現在、米18都市に進出した「スピン」の最高経営責任者(CEO)デレック・ゴー氏は、記者に「事業成長の勢いは当分続くだろう」とし、「アジア進出を考えており、特に韓国も注目している」と話した。

問題は、放置や壊されたスクーターが出てくることだ。サンノゼ市内の歩道の上に倒されているスクーターをよく目にする。電動スクーターは倒れてできた傷のため、見た目がよくないことが多い。

安全問題も深刻だ。記者がサンノゼ市内のセイントマーケット通りを通過する電動スクーターを30分間観察した結果、ヘルメットをかぶった利用者は一人もいなかった。横断歩道の信号を守らなかったり、道路の中央線を越えたりする電動スクーターもあった。

電動スクーターが安全問題を起こしたため、サンフランシスコ市は先月から都心での電動スクーターの使用を禁止した。市政府は、サンフランシスコで運営中の12のレンタル会社のうち5社だけに許可を出し、残りに対しては審査中だ。

ゴー氏は、「今後、電動スクーターレンタル業界はスクーターの性能向上よりもアプリのサービス機能の多様化と安全注意事項の告知方法などで熾烈な競争をするだろう」と見通した。


シリコンバレー=ファン・ギュラク記者 rocku@donga.com