
ニューヨーク警察や米メディアによると、11日午前7時20分頃、バングラデシュ出身のアカエド・ウラー容疑者(27)が、ポートオーソリティ・バスターミナル駅とタイムズスクエア駅を結ぶ地下通路で、体に巻き付けたパイプ爆弾を爆発させた。パイプ内部の化学物質の一部には火はついたが、パイプそのものは爆発しなかった。
爆発物は約30センチの長さのパイプで、中に火薬やバッテリー、釘、ねじなどが入っていた。警察関係者は、ウラー容疑者が少なくとも2個の爆弾を所持していたと伝えた。警察当局は、ウラー容疑者が面ファスナーとジッパーで爆弾を体に巻き付けていたことから、地下鉄に乗って自爆テロをしようとした可能性も捜査している。
警察当局は今回の事件をテロと規定した。米メディアによると、ウラー容疑者は取り調べで、ISに忠誠を誓ったと明らかにした。捜査当局は、テロ組織とのつながりについても捜査している。警察当局は同日午前、ウラー容疑者の自宅であるブルックリンのアパートなど3ヵ所を捜索し、ヒジャブを身に着けた女性1人を連行した。ウラー容疑者に前科はないという。
テロの動機については、報道は錯綜している。米紙ニューヨーク・タイムズは、米国がシリアなどのISに空爆したことへの報復で犯行に及んだとウラー容疑者が供述していると報じたがが、CNNは捜査関係者を引用して、ウラー容疑者が「最近、パレスチナのガザ地区で起こしたイスラエルの行動に憤慨して犯行に及んだ」と供述したと伝えた。しばらく静かだったイスラエルとパレスチナの対立は、先週、トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことを機に再び火がついた。
ウラー容疑者が2011年に家族移民ビザ(F43)で米国に入国したことが確認されると、トランプ大統領は議会に移民制度改革法案の成立を求めた。トランプ氏は11日、声明で、「(現移民制度は)多くの非常に危険な人物の入国を許しており、入国審査も十分でない」とし、「議会は『連鎖移民』を終わらせなければならない」と求めた。「連鎖移民」と呼ばれる家族移民ビザは、米国に先に着た移民が家族を招待する制度だ。
ウィ・ウンジ記者 wizi@donga.com