Go to contents

「AI、人に感染」クリーン国家の評価を受けた韓国

「AI、人に感染」クリーン国家の評価を受けた韓国

Posted February. 17, 2014 04:38,   

한국어

1月中旬に始まったH5N8鳥インフルエンザ(AI)の流行がなかなか終わらない。関連農家や産業に及ぼす被害は莫大だ。鶏、鴨肉の消費が減少している。AI防疫費用は雪だるま式に膨らんでいる。経済的被害だけが問題ではない。人体感染が憂慮され、国民の不安も大きくなっている。

人体感染の可能性には、ウイルス感染の経験、人体の防御免疫、感染予防措置や疾病管理などの様々な要因が複合的に作用する。このため、断定的に結論を下すことはできず、総合的に判断しなければならない。H5N8の場合、このすべての点を考慮すると、現時点で人体感染の可能性は極めて低いと判断される。

2003年以降、国内の鶏や鴨でAIは5回流行した。それまで4回すべて原因となるウイルスがH5N1だった。今回は、H5N8という点が異なる。H5N1の場合、約10年間、東南アジア、中国、エジプトなど15ヵ国で約650人の人体感染事例が発生した。そのため、病気が急速に広がって致命的な結果が予想される「大流行(pandemic)」の候補とされた。

大流行の時は病気が人から人に感染する。しかし今のところはそのような兆しはない。国内ではH5N1流行期間に一人の感染者も発生しなかった。ただ少数の「無症候感染者」が発見された。世界保健機関(WHO)は、ウイルスの病歴、急性呼吸器症状、実験室の検査陽性などの3つがある場合に患者と認定する。症状が表面に現れない無症候感染者は患者に該当しない。

東南アジアと中国でなぜH5N1人体感染が頻繁に起こるのか。その原因は、感染源になる鶏と鴨を育てる環境が違うためだ。これらの国では、1960、70年代の韓国の農村のように、まだ鶏や鴨を家の周囲に放し飼いする。そのため、人がAIに汚染された糞や分泌物にさらされ、感染者が増える。2013年に中国で始まり最近まで約300人の感染者が出た別のAIウイルス・H7N9の場合も同様だ。消費者は、在来市場で生きている鶏や鴨を買って料理した時に感染した。

韓国は、ほとんどの家禽類を閉鎖型農場に閉じ込めて飼育する。肉は衛生的に加工販売する。そのため一般人が感染の危険にさらされることはない。また、AIの流行時、屠殺処分に参加する防疫員は全身を覆う防疫服を着て、抗ウイルス剤を予防的に服用し、季節ワクチンの接種を受けるなど十分な予防措置をしている。

韓国は、世界的にAI流行を毎度終息させた「クリーン国家」だ。すでにAIが風土病として位置づけられている東南アジア国家とは比較できない。

最後に、現在流行中のAIの原因ウイルスであるH5N8が中国の鴨で発見されたことはあるが人体感染のケースはないという点に注目する必要がある。疾病管理本部がH5N8ウイルスを分析した結果、人体感染や抗ウイルス剤耐性と関連した遺伝子変移も全く発見されなかった。結局国内でH5N8のAIウイルスの人体感染の可能性は非常に低い。今はAI流行を速やかにコントロールし、終息に総力を挙げ、困難にある農家のために鶏や鴨肉の消費を促進しなければならない。

韓国は、毎年冬シベリアから南下する渡り鳥の主な移動経路に位置している。西南地域には家禽農場が密集しており、AI風土病地域である中国が近くに位置している。AI流行の高危険地域ということだ。政府当局は、今回のH5N8流行が国内最後のAI流行になるよう抜本的な対策づくりをしなければならない。専門家の協力も必要だ。