20日に冬の休暇に入った米国のオバマ大統領の最後の公式日程はホワイトハウスの記者会見だった。送年の記者会見は44人の歴代大統領が約240年間守ってきた慣行であり、今や「天地がひっくり返っても」欠かすことのできない不文律になった。
オバマ大統領とは誰か。40代当選1回の元上院議員であり、初の黒人大統領になった後も疎通の達人と賛辞を受ける人物だ。党籍不問、経歴不問、政策推進に役立つなら誰でもホワイトハウスに招待して昼食と夕食をふるまった。議会がためらえばすぐに大衆の中にとびこんだ。
それでも記者たちは不満だ。記者会見が少ないためだ。ホワイトハウスによると、オバマ大統領は任期1期目の4年間、78回の記者会見を行なった。2009年27回、2010年19回、2011年20回、2012年12回で月平均1.6回だ。韓国から見れば多いが、米国大統領の月平均2回には至らない。ブッシュ前大統領は月平均2.18回、クリントン元大統領は2.01回、父親のブッシュ元大統領は2.85回だった。
「新聞なき政府より政府なき新聞を選ぶ」という大統領を持つ米国らしい。しかし、オバマ大統領としては少々悔しいかもしれない。記者会見がそうだとしても、1期目の4年間のインタビューだけでも220回も行なったのに、メディアとの意思疎通が疎かだと指摘されるからだ。
朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は就任後、国内メディアとの記者会見やメディアのインタビューを一度もしなかった。国民との意思疎通の窓口を自ら放棄したのだ。海外歴訪の際、米国のワシントンポスト、英国のBBC、フランスのル・モンドなどと7度もインタビューしたことと対照的だ。大統領府は、4月に報道機関編集・報道局長団、5月に政治部長団、7月に論説・解説室長団の懇談会など「事実上」3度の記者会見をしたと言って不満だ。しかし、大統領が主に話をする懇談会と記者たちが知りたいことを質問する記者会見は次元が異なる。
朴大統領が公に記者会見やインタビューをしない理由を明らかにすればすっきりする。メディアとの疎通拒否により、現政権の政策基調の重要な軸である非正常の正常化、政治文化の先進化に逆行しているのではないか考えなければならない。教授たちが今年の四字熟語として「倒行逆施」(正しい道理に逆らった手段・方法を採ること)を挙げたのは偶然だろうか。
大統領府の秘書陣や政府当局者まで大統領との「スキンシップ」を渇望する状況で、記者たちが記者会見を要求する声が聞こえているだろうか。大統領が閣議や首席秘書官会議で指示し、長官や大統領府室長、首席秘書官はそれを書き取るのに忙しいため、討論は考えることすらできない。そのうえ午後6時に朴大統領が執務室から仁王山(インワンサン)が見える部屋に行った後は、電話での通話程度が疎通のすべてだという。
まず、外交安保統一チームの首長たちの大統領との随時対面報告を実施しなければならない。報告書を読んで電話で大統領が尋ねるが、「大統領の考えは間違っています」と言える大胆な長官や参謀はいない。
権力の核心でも、外交安保統一の政策に関する限り大統領の考えが「ガイドライン」であり各省庁の政策責任者が動ける余地はほとんどないと愚痴をこぼし始めている。朴大統領が強調する原則が「ドグマ」になる状況になったにもかかわらず、変化の兆しがなくては困る。揺れ動く北朝鮮や視界ゼロの北東アジア情勢への朴大統領式の応戦である国家安全保障会議(NSC)常任委員会の成功の如何も対面報告が実現するかどうかと無関係ではないだろう。






