昨年、フランソワ・ミッテラン元大統領の未亡人、ダニエル・ミッテランさんが87才で他界した。17才の時からレジスタンス活動をした彼女は、政治的に夫よりも情熱的な社会党員だった。キューバのカストロやメキシコのマルコスのような革命家とも親交があった。彼女は、ミッテラン元大統領に恋人や隠し子がいることが明らかになっても、夫婦関係を維持した。しかし、夫の浮気性に愛想が尽きたのか、死後の安息の場所は夫の隣ではなく、実家の家族墓地を選んだ。
◆サルコジ大統領が就任して6ヵ月目の07年10月、セシリアさんは夫と離婚を宣言し、ファーストレディの座から去った。彼女は05年、あるイベントプランナーと恋愛関係になり、夫から離れた。大統領に挑戦したサルコジ氏の懇願で再び家庭に戻ったが、偽善を装うことはできないと言って、男の元に戻った。一人になったサルコジ氏に、モデルで歌手のカーラ・ブルーニさんが近づき、ファーストレディとなった。サルコジ氏は大統領在任中に、離婚と再婚を同時にした初めての大統領だ。
◆フランス大統領に当選したフランソワ・オランド氏には夫人がおらず、事実婚のパートナー、バレリー・トリエルバイレールさんがいる。バレリーさんは週刊ニュース雑誌「パリ・マッチ」のジャーナリストであり、チャンネル「ダイレクト8」の政治対談番組の司会もした。バレリーさんが冷たくあっさりした印象なので、上層ブルジョアの出身と誤解されやすいが、体が不自由な父親と市立スケート場の出納係の母親との間に生まれた6人の子供のうち5番目だ。バレリーさんは05年頃、取材のためにオランド氏に出会った。当時、オランド氏は30年近く同居していたセゴレーヌ・ロワイヤル社会党大統領候補(07年)と別居状態だった。
◆同居関係が普通のフランスだが、大統領の同居パートナーは初めて。フランス人は、この同居パートナーをどう呼ぶべきか悩みができた。「マダム・オランド」と呼ぶには、オランド氏と結婚してはおらず、「マダム・トリエルバイレール」と呼ぶにも、トリエルバイレールは2番目の夫の姓なのでぎこちない。バレリーさんは、自分の立場が正式の妻ではないので独立的であり、ジャーナリスト活動を継続するという考えを示している。では、ファーストレディの役割は時々時間をつくってする付随的な役割になるのだろうか。事実婚のファーストレディという不釣り合いな組み合わせをどううまくやっていくのだろうか。
宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com






