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「背中を押されて」編成し実績は1割、銀行の祝日特別融資資金の実態

「背中を押されて」編成し実績は1割、銀行の祝日特別融資資金の実態

Posted September. 21, 2010 07:06,   

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毎年、旧正月や秋夕(チュソク=旧暦8月15日の節句)」になると、各銀行は資金不足に悩む中小企業向け特別資金支援計画を発表する。銀行別に、少なくとも数千億ウォンから最高1兆ウォンに上る祝日特別資金を、低金利で貸し出すと恩着せがましく振舞う。

今年も、18の都市銀行が18兆ウォンを超える秋夕資金を供給すると発表したが、銀行の貸し出し窓口で中小企業の経営者を目にすることは難しい。祝日特別資金の目標額は、もっともらしい中小企業向け支援策を出そうとする政府からの働きかけを受け、各銀行が、「背中を押されて」書き出した数値に過ぎないからだ。政府の圧力を受け、各都市銀行は祝日のたびに嘘をつくことになる。

実際、昨年の秋夕特別資金を編成した都市銀行7行のうち、半数以上は、秋夕特別資金を実施実績が目標額に達していないことが調査で分かった。また、一部の銀行の場合、秋夕前後の3ヵ月間実施された中小企業向けの融資が、全て秋夕特別資金の支援実績に盛り込まれるなど、「目隠し支援」も少なくなかった。このような現象は今年も変わっていない。

●5000億編成、実績は450億ウォン

昨年、国民(クンミン)や新韓(シンハン)、ウリィ、ハナ銀行など都市銀行7行は、秋夕特別資金として3兆2000億ウォンを編成した。銀行別に最低1000億ウォンから、最高1兆ウォンまで、普段より0.1〜2%ポイント安い金利で融資を行う計画だった。

しかし、このうち、実際の中小企業向け融資金額は2兆7500億ウォンに過ぎなかった。当初の目標額である5000億ウォンを一段と超過し、7248億ウォンを貸し出したA銀行を除く6銀行の融資額は、2兆ウォン程度と、目標額の80%程度に止まった。

7つの都市銀行の半数を超える4銀行が、当初の秋夕特別資金の目標額を満たしていない。そのうち、2銀行は、秋夕特別資金の使用額が目標額の半分を下回り、5000億ウォン台の支援を約束したB銀行は、当初の目標額の10分の1ほどの450億ウォンに止まった。中小企業向け支援のため、数千億ウォンを支援すると発表したが、実際行われた中小企業への支援額は、発表額に大幅に及んでいない。

このような現象は、祝日のたびに毎年繰り返されている。昨年の旧正月連休を前後に、中小企業に対し3兆7800億ウォンを支援すると発表した各都市銀行が、実施した中小企業向け融資も同様に、目標額の半分を下回る1兆8882億ウォンに過ぎなかった。ある都市銀行は、旧正月連休期間にわずか1億ウォンを支援し、1000億ウォン台の支援を約束した各地方銀行の実績も、わずか100億ウォンを超える水準に止まった。

中小企業向け支援実績を「水増し」する銀行も少なくなかった。本来、秋夕特別資金は、職員給料やボーナス支給、下請け会社への決済資金に必要な中小企業の運営資金を新規で融資するためのものだ。しかし、一部の銀行は、秋夕連休期間に満期が到来する中小企業向け融資を延長し、これを実績に組み込む一方、秋夕前後の3ヵ月間に行われる中小企業向け融資も、秋夕特別資金の支援に盛り込み、実績を水増ししている。

●宣伝目当ての特別資金編成、今年も繰り返される模様

このように、祝日特別資金の支援が「宣伝」に止まるのは、政府の機嫌ばかり伺っている各銀行が、大まかな計算で特別資金の支援計画を立てているためだ。

各都市銀行は毎年、秋夕や旧正月連休の1ヵ月前から、中小企業庁や金融当局に対し、中小企業向け祝日特別資金支援計画を提出している。庶民寄りや中小企業支援を強調する政府方針に従うため、実際の中小企業の資金需要や各銀行の資金支援の意志とは関係なく、前年度の資金支援計画より、否応なく、目標額を引き上げなければ、というプレッシャーが少なくない。実際、07年以降、都市銀行7行を含めた18の国内銀行の秋夕特別資金の編成額は、毎年大幅に増加している。

ある都市銀行の担当者は、「秋夕特別資金を毎回、政府に報告しており、目標額は前年度と同様か、それより多目に編成しなければならないというプレッシャーを受ける」と言い、「秋夕資金の編成に先立て、担当部署から中小企業向け資金需要や前年度の支援実績を報告するが、これはあくまでも参考資料に過ぎない」と話した。

銀行各行による宣伝目当ての特別資金支援策の発表は、今年も繰り返される見込みだ。今年、7つの都市銀行が編成した秋夕特別資金は4兆8000億ウォンと、昨年より1兆600億ウォン増加した。産業銀行や企業(キオブ)銀行、農協や地方銀行を含めた18の都市銀行の秋夕特別資金は、昨年より50%増の8兆7000億ウォン上っている。しかし、グローバル金融危機を受け、中小企業からの融資要望は昨年より大幅に減っており、実際、秋夕特別資金の実施額は、目標に大幅に及ばないだろうという見方も出ている。

ある都市銀行の中小企業向け融資担当者は、「経営がしっかりしている企業は現金が溜まっており、融資を受ける必要がなく、資金が必要な企業各社は、グローバル金融危機により業績が下がり、貸し出し審査を通るのが難しいのが現状だ」と言い、「秋夕特別資金は増えたものの、どこに使うべきか見当がつかない」と打ち明けた。別の都市銀行の関係者は、「秋夕特別資金は、政府から秋夕の時、融資する資金がいくらかを聞かれたために提出した金額に過ぎない。融資するようにといわれているが、現場の支店では融資審査を通りそうもない中小企業にまで、融資を行うのは難しい」と語った。



weappon@donga.com