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「治水」か「浸水」か、4河川事業の実効性を巡り議論

「治水」か「浸水」か、4河川事業の実効性を巡り議論

Posted July. 21, 2010 08:03,   

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#1〓20日午前、慶尚南道昌寧郡吉谷面(キョンサンナムド・チャンニョングン・ギルゴクミョン)の洛東江(ナクドンガン)・咸安(ハムアン)堰の工事現場。「ㄷ」の字の形の仮の水止め(堰の工事が進められる間、水路の迂回のために、臨時に設置した鉄の構造物)の3分の2の地点まで、泥水が溜まっていた。作業員10人余りが、泥水除去のため、排水作業準備路の仮の水止め周辺を忙しく動き回っていた。

#2〓同日午前、慶尚南道昌寧郡梨房面(イバンミョン)の洛東・の陜川(バブチョン)堰の工事現場から下流方向に約1キロ離れたところには、川の真ん中に、浚渫土がそのまま露になっており、集中豪雨の爪痕が残っていた。陜川堰の周辺では、韓国農漁村公社が実施している農耕地の修復現場も、いたるところが巨大な水溜りと化していた。

#3〓京畿道驪州郡(キョンギド・ヨジュグン)の康川(カンチョン)堰や、全羅南道羅州市(チョルラナムド・ナジュシ)の竹山(チュクサン)堰と昇村(スンチョン)堰、忠清南道公州市(チュンチョンナムド・コンジュシ)の錦江(クムガン)堰、慶尚北道亀尾(キョンサンプクド・グミシ)の亀尾堰など、ほかの工事現場は割合平穏だった。

驪州郡の関係者は、「以前、何度も南漢江(ナムハンガン)の浚渫を進めたものの、そのつど白紙化されたが、今回ようやく浚渫することになった」と言い、「梅雨時ごとに水が氾濫するのではと、気を揉むことはなくなるだろう」と話した。

先週末、全国的に降った梅雨シーズンの集中豪雨により、主要4河川再生事業の一部の事業区間が水に浸かり、工事が中止され、4河川事業の実効性を巡り議論が続いている。一部からは、梅雨の時期なのに工事を強行したために洪水被害を増大させ、環境を汚染させたとの批判が上がっている。これに対し政府は、「河川工事を巡る誤解から生じたものだ」と強く反論している。

●4河川事業が洪水の被害を増大させたか

各環境団体は、咸安や陜川堰が水に浸かり、工事現場の臨時道路が流されるなど、無理に進めたことの問題点が明白になり、洪水の危険性も高まったと批判した。

環境運動連合や市民環境研究所、「主要4河川事業の阻止に向けた慶尙南道運動本部」などは19日、慶尚南道道庁のプレスセンターで記者会見を開き、「洛東江の咸安や陜川堰の設置に向けた仮の水止めにより、洪水の危険性がさらに高まっている」と主張した。彼らは、「洛東江の川幅の3分の2程度を占める仮水止めが、正常な河川の流れを食い止め、氾濫の危険性を増大させている」と言い、「建設現場の浚渫土の野積みや工事資材なども、ボトルネック現象を誘発している」と指摘した。

これに対し、国土海洋部(国土部)の4河川再生推進本部側は、「仮の水止めが水に浸かり、臨時道路が崩れたとして、浸水被害だと主張するのはとんでもない」と反論した。洪水により一定レベル以上に水位が上がれば、仮水止めの中に水が溜まり、仮水止めの内部と外部が同じ水圧を維持するような基本設計となっている。河川内に設置された工事用道路である臨時道路も、水位が上がれば、水に浸かるようになっていると付け加えた。

洪水被害を増大させたと言う主張については、仮水止めにより、一部の河川の流れに影響があっただろうが、むしろ浚渫により、河川内の水袋が大きくなり、安全になったと切りかえした。

国土部の関係者は、「洛東江全体の浚渫計画量4億立方メートルのうち、現在約8500万立方メートルを浚渫し、臨河(イムハ)ダムの洪水調整容量(8000万立方メートル)分だけ、容量を確保したことになる」と明らかにした。

●浚渫土の流失に問題はないか

集中豪雨によって浚渫土が雨に流され、洛東江が真っ赤な泥水と化したという批判も出ている。環境運動連合などは、「建設現場周辺に盛った浚渫土が豪雨に流され、川水の濁りの度合いが高まった」と主張し、「流された浚渫土には、重金属や有機化合物が含まれており、水生生態系を壊しただけでなく、取水に深刻な影響を及ぼすことになるだろう」と批判した。

これに対し、国土部側は、「河川敷の積み置き場の浚渫土はすでに片付けており、指摘を受けた部分は、河川の堤防の中にある川辺の沈砂池(水質浄化のための施設)に積んでおいたものだ」と言い、「これは、浚渫をせず、川底にあろうと、川辺の沈砂池にあろうと、豪雨が発生すれば、一部が流されるのは同じだ」と反論した。そのため、今回の梅雨に発生した泥水は、集中豪雨の時に通常に発生する水準だという。重金属の汚染を巡る議論に対しても、「測定の結果、土壌保全法の基準内だったので問題ない」と付け加えた。

●本流よりは支流が問題?

環境団体は、今回の豪雨でも本流よりは支流の方で多くの被害が発生したと言い、主要4河川事業の工事は、前後が逆になっていると主張した。また、今回の豪雨により、慶尚南道咸安郡一帯で、農耕地の一部や道路が浸水したのは、洛東江の支流である匡廬川(クァンリョチョン)の水が遅れて抜けたためだと主張し、支流工事が急務だと指摘した。

国土部は、「支流が被害を受けたからといって、本流工事を中止すべきだと主張するのは話にならない」と反論した。国土部の関係者は、「洛東江の本流を整備すれば、洪水の水位が下がり、支流の水位も下がるなど、本流と支流の被害を共に防ぐ効果がある」と主張し、「本流の堆積物により、川の流れが滑らかでなければ、水が支流の方に逆流し、本流や支流共に被害が発生しかねない」と語った。

慶尚南道第1地区の建設団の関係者も、「被害地域は、咸安堰の高さ(5メートル)より低い低地帯(標高4.5メートル)で、常習的浸水地である上、咸安堰工事現場の下流でない上流に位置しており、咸安堰工事とは無縁だ」と説明した。



redfoot@donga.com toto@donga.com