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[社説]「緊張リスク」に対応して「安保DNA」で結集しよう

[社説]「緊張リスク」に対応して「安保DNA」で結集しよう

Posted May. 27, 2010 06:51,   

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北朝鮮は、海軍哨戒艦「天安(チョナン)」沈没事件の調査結果の発表後、韓国政府の対北朝鮮制裁措置に連日、神経質な反応を見せており、対南脅迫の水位を高めている。南欧発の財政危機に天安艦の影響が重なり、金融市場も多少動揺している。窮地に追い込まれた北朝鮮は、内外の多少混乱した状況を利用して、様々な形態の威嚇と挑発で、韓国社会を揺さぶろうとするだろう。韓国が「緊張リスク」に耐えられず、「安保疲労症」に陥って北朝鮮の恐喝にひざまずくなら、北朝鮮の意図が的中することになる。そのようなことになってはならない。

北朝鮮は26日、「対北朝鮮プロパガンダ放送が再開されれば、西海(ソヘ・黄海)地区の南北管理区域で、韓国側関係者と車両に対する全面遮断の措置が取られるだろう」と脅迫した。明示的には言及しなかったが、開城(ケソン)工業団地の閉鎖を念頭に置いているとみられる。韓国は、最悪の場合、経済的損失を安保コストと見なし、韓国の労働者の身の安全に万全を期して、開城から退去する準備をする必要がある。北朝鮮は、これまで3千万ドル(約360億ウォン)を稼いだ金剛山(クムガンサン)観光を中断したのに続き、3800万ドル(約460億ウォン)を稼いだ開城工団まで閉鎖することは、北朝鮮の経済規模と経済事情から見て、惜しいことだろう。韓国は韓国で、3000億ウォン以上の企業損失への補償金が必要となるが、無原則に北朝鮮に支援するよりもはるかに名分がある。

北朝鮮は、「拡声器が設置された場合、射撃で破壊するための軍事的措置を取ることになる」と脅した。金泰栄(キム・テヨン)国防長官は、「もし北朝鮮が射撃すれば、交戦規則によって『比例性原則』を適用して対応する」と述べた。北朝鮮の挑発に対して自衛権を発動することは当然だ。

25日に急落した国内の株価は、26日に上昇傾向に持ち直した。外国為替市場の衝撃もひとまず落ち着いた。しかし、当分、突発変数として間欠的に不安な様相は現れるだろう。政府は、国内の外投資家を安心させるために努力し、国民と企業も、このような時こそ、毅然として対応しなければならない。南北分断後65年間、「北朝鮮リスク」に耐え、世界が驚く経済成長を成し遂げた国の国民に相応しい姿を見せる時だ。

1938年のミュンヘン協定は、英国のチェンバレン首相とフランスのダラディエ首相が、ドイツのヒトラー政権の脅迫に臆して「中途半端な融和政策」で対応し、より大きな悲劇を招いた代表的なケースとして記録されている。英国とフランスが、ヒトラーの戦争も辞さない脅迫に驚き、なだめることに汲々として残酷な結果を生んだことは、時代を越えた教訓だ。「天安艦の悲劇」を抜本的な南北関係の転換の契機にするには、国民が一時的な緊張と苦痛に耐え、安保DNAで結集して冷徹に対応する姿勢が必要だ。