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天安艦調査に中ロの立会いを推進 同心円的多国間主義で北朝鮮に圧力

天安艦調査に中ロの立会いを推進 同心円的多国間主義で北朝鮮に圧力

Posted May. 08, 2010 07:35,   

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海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没の原因が魚雷による攻撃に絞られ、政府の「天安艦外交」も本格化しつつある。政府は、韓米同盟を基礎に、友好国や国際社会に外交的対応を拡大する段階的アプローチによって、国際社会で北朝鮮制裁に向けた支持と理解の幅を広げるという構想だ。

●韓米同盟を基礎にした同心円的多国間主義

韓国と米国は6日に開かれた安保政策構想(SPI)会議をはじめ、2国間の実質的な対応案を模索している。政府当局者は、「韓米両国の対応方向は、2国間、多国間アプローチの枠組みだ」と話した。韓米両国がそれぞれ周辺国との2国間協力を通じて対応する一方、国連など国際社会との多国的な対応を通じて、北朝鮮に圧力をかけるという戦略だ。

特に、韓米両国は、△両国の外交的圧力、△国際社会によるアプローチ、△韓米両国の軍事的ハードウェア強化案を検討中だという。特に、軍事的ハードウェアの面では、両国の軍事演習の拡大と共同対応態勢の強化などを考慮している。韓米の外務・国防長官が出席して6月頃に開かれる「2+2戦略会談」でも、天安艦事件についての共同対策を協議する方針だ。

まず、政府は、中国内で、「韓国冷遇論」が広がることを阻止し、中国との協議チャネルの強化に力を入れている。天安艦事件によって北朝鮮制裁の局面に突入する場合、中国の協力が必須であるため、ひとまず中国の世論をなだめ、圧迫する姿勢は取らないということだ。

政府は15日、慶州(キョンジュ)で開かれる韓中日外相会議で、天安艦事件を「地域の安全保障」のテーマで取り扱う方針だ。これに先立ち、柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官は10日、ベルギー・ブリュッセルで開かれる韓国と欧州連合(EU)の基本協定書名式に出席した後、北大西洋条約機構(NATO)加盟28ヵ国に天安艦事件を説明し、今後の韓国の対応への支持を求める予定だ。

●軍事外交も加勢

軍と国防部も、外交力を結集することに加勢している。まず、軍は、韓米同盟に基づいて米国との協力を強化する方針だ。韓米両国の軍当局は、6日のSPI会議で、天安艦事件の原因究明の調査結果によって、今後、安保レベルの共同対応を進めることを決めた。韓国海軍は、翌月ハワイで開かれる環太平洋合同演習(リムパック)で、米海軍と潜水艦演習を行う予定だ。

軍当局は、中国やロシアなど、北朝鮮と近い周辺国に対する説得作業も並行させる予定だ。民間と軍による合同調査団の天安艦沈没原因調査の結果発表の頃に、中国とロシアを招き、2つに切断された天安艦の惨状を視察させ、原因究明の結果までの過程を説明する案を検討している。

金泰栄(キム・テヨン)国防部長官は、翌月4〜6日にシンガポールで開かれるアジア安全保障会議(シャングリラ会合)で、韓中の国防長官会談を行い、天安艦事件に対する中国の協力と支持を求める予定だ。また、金長官は、会議の発表者として出席し、中国とロシアを含む24ヵ国の軍首脳部に原因調査の結果を説明して、協力を要請する方針だという。

軍当局は、韓中国防長官会談の開催を中国に要請する案も考慮している。また、西海(ソヘ・黄海)での海上安保の強化として、08年の韓中国防長官会談の結果、設置された韓国海軍第2艦隊と中国の北海艦隊司令部間の「ホットライン」を積極的に活用する案も検討している。