「朴槿恵(パク・グンヘ)元代表の心は動くのか」
6・2地方選挙を約70日後に控え、ハンナラ党の朴槿恵元代表の役割が再び関心を集めている。朴元代表が応援遊説に出てくる場合、ハンナラ党が劣勢の忠清(チュンチョン)圏で巻き返しが可能であり、慶尚道(キョンサンド)でも、未来希望連帯(旧親朴連帯)の風を静め、安定的に勝利できるという理由からだ。応援遊説をするかどうかによって、地方選挙の状況が揺れ動く力を発揮できるということだ。
●親朴系の出馬断念と「朴心」の相関関係?
朴元代表は今回の地方選挙について直接言及していない。側近を通じて、「公認審査委員会が公正かつ透明に運営されることを望む」と言ったのがすべてだ。
しかし最近、親朴系(朴槿恵氏系)の徐相箕(ソ・サンギ)、金鶴松(キム・ハクソン)、安鴻俊(アン・ホンジュン)議員や金在原(キム・ジェウォン)元議員が広域自治体首長選挙に挑戦しようとして断念したことで、朴元代表の考えをめぐって観測が溢れている。一部では、親朴系の人々の出馬断念は、「出馬したところで朴元代表が応援してくれないと考え、自ら断念した」と解釈されている。しかし、現地の事情に詳しい消息筋の間では、彼ら親朴系の人々が不出馬を宣言したのは、朴元代表のためというよりも、勝算など諸条件を見て自ら判断したという見方もある。
●朴氏の支援が切実な選挙
朴元代表は、李明博(イ・ミョンバク)政府発足後に行われた5回の再・補欠選挙すべてにおいて、党の応援要請を受け入れなかった。「選挙は党執行部を中心に行うべきだ」という理由だった。朴元代表の側近も、「再・補欠選挙は、政権に対する民心の判断を確認する場であるため、朴元代表が出る場所ではない」と判断してきた。
しかし、今回は状況が少し違う。地方選挙は全国単位で行われ、党が総力戦を上げるうえ、政権に対する中間評価の性格もあり、選挙結果が今後の政局に決定的な影響を及ぼす。政府と党の命運を決定づける重大な選挙に、執行部ではないという理由で手を貸さないことができない状況になったのだ。地方選挙での朴元代表の役割に対する党の期待が、いつよりも大きくならざるを得ない。
そのうえ、次期大統領選挙でキャスティングボートを握る忠清圏の地方政権が民主党と自由先進党に渡ることも、大統領候補の朴元代表に決して有利なことではない。忠清圏の広域団体首長の朴城孝(パク・ソンヒョ)大田(テジョン)市長、李完九(イ・ワング)前忠南(チュンナム)知事、鄭宇澤(チョン・ウテク)忠清北道(チュンプク)知事がみな親朴系とされている。忠清圏の基礎自治体首長の中にも親朴系が多い。朴元代表が、世宗(セジョン)市原案を守ってきたので、忠清圏で朴元代表の支持率は非常に高いほうだ。
そのうえ、与党が敗北し、政府と党の支持率が落ち、野党が反射利益を得る場合、野党の次期候補を有利にする条件を成熟させる可能性もある。朴元代表を盲目的に追従する未来希望連帯が、慶尚道と忠清圏でハンナラ党候補を抑えて当選する状況も、朴元代表にはありがたくないことだ。実際、親朴系内部では、ハンナラ党候補が希望連帯候補に敗北する場合、朴元代表に責任論が転嫁する可能性を憂慮する声が少なくない。
以前の再・補欠選挙とは違って、親朴議員らも朴元代表の支援の可能性を柔軟に見ている。朴元代表の報道担当の李貞鉉(イ・ジョンヒョン)議員は、電話取材に対して、「朴元代表が『再・補欠選挙は、執行部中心に行うのが正しい』と言ったが、地方選挙は違うのではないか。これまで、朴元代表がこの問題に言及していないことだけでも、意味があるのではないか」と話した。金善東(キム・ソンドン)議員も、「朴元代表をはじめ多くの親朴議員が、まだこの問題について結論を下していない。地方選挙に先立ち、党が一つに結束する姿を見せることがより重要だ」と強調した。
しかし、ソウルのある親朴系の新人議員は、「朴元代表が、親朴議員の党内選挙戦も応援しないという考えを示したのに、地方選挙に出られるだろうか。すでに整理されていると考える」と話した。
●親李系「朴氏自身のためにも…」
党の一部では、朴元代表が世宗市原案を固守し、ハンナラ党の支持勢力の一部が朴元代表に対する支持を撤回したことを挽回する機会にできるという観測が出ている。特に、親李系(李大統領系)議員の心を捉えることができるカードとしても、少なからぬ意味があるという分析だ。これまで、親李系の中核議員らは、世宗市問題に対する朴元代表の態度に大きく失望し、代案を模索するために水面下の作業を行ってきた。
鄭斗彦(チョン・ドゥオン)地方選挙企画委員長は21日、東亜日報の電話取材に対して、「朴元代表が以前の選挙とは違って、役割を果たすだろう。本人も、大統領選挙を念頭に置くなら、じっとしていないだろう」と話した。ある親李系の再選議員は、「朴元代表が、自分の大統領選挙のためだけに動いているという主流側の考えを変えるためにも、今回の地方選挙には必ず出てこなければならない」と主張した。