ソウルのある高校の教室で、男子生徒が女性教師の肩に手を回し、セクハラ行為を行い、ほかの生徒らがこの場面を動画撮影し、インターネットに流したため、物議をかもしている。ソウル市教育庁や該当高校は、問題の生徒やその場面を撮影し、動画をインターネットに掲載した生徒に対し、10日間の停学処分を下したが、一部では処分が軽すぎるという意見が出ている。該当生徒は、普段からいたずらがひどかったというのが、ほかの生徒らの証言である。動画に出ている表情も、茶目っ気いっぱいで、ほかの生徒らは傍で笑っている。
◆該当の女性教師は、「セクハラ行為の意図は、感じなかった」とし、退学のような重い処分を望まないという意見を明らかにしたが、複数の教員団体では反発している。韓国教員団体総連合会は、「今回の出来事は、我が社会に蔓延している教員軽視風潮が、児童にまで次第に拡大されつつある現状を露にしたものだ」とし、インターネットにおけるマナー教育や人性教育の強化、正しい師弟関係の確立を要求した。全国教職員労働組合も、「教権侵害を超えた人権蹂躙やセクハラだ」とし、該当生徒や管理者への厳しい処分を求めた。
◆同年代の生徒のほとんどは、ネットへの書き込みで、「その程度のいたずらで、学校側の処分がひどすぎる」という意見を示している。大人の中にも、「どの学校でもありうることなのに、過剰反応している」、「私は生徒時代、手鏡で女性教師のスカートの中を覗き見するいたずらすらしたことがある」という書き込みを掲載する人もいる。しかし、いたずらも「程度」の問題だ。青少年期がいくら性的な好奇心が旺盛な時期とはいえ、女性教師に対し教室で、「お姉さん」と呼び、肩に手を回すほど無礼な行動は、かつては想像すらできなかった。
◆男子生徒が女性教師に、「お姉さん、僕と付き合って」と話したこともさることながら、動画に「女性教師をナンパ」という刺激的なタイトルをつけたことは、師弟間で守るべき度合いをはるかに超えている。生徒のみ叱らず、既成世代も反省しなければならない。青少年らは、年上年下カップルによる恥ずかしいシーンが、頻繁に登場する低級映画やポルノなど映像媒体から大きな影響を受ける。今回の出来事は、教師権威の低下の問題だけでなく、性に対する価値観の歪曲や扇情的な動画の蔓延、歪曲されたネット文化など、さまざまな病理現象の寄せ合わせとも言えよう。
鄭星姬(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com






