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[オピニオン]ホワイトハウスの記者室

Posted July. 11, 2007 03:13,   

米ホワイトハウスの記者室が800万ドル(約74億ウォン)をかけての内装工事を終え、新しい姿に生まれ変わった。全世界のニュースの発信地ともいわれる現在のホワイツハウス記者室は、メディアを極度に嫌い、ウォーターゲート事件を追跡したメディアによって権力の座から追い落とされたリチャード・ニクソン大統領の時に作られた。ニクソンは当時、記者室がホワイトハウスのロビーにあって、記者たちが出入りする人に会って話を聞き、それをもとに記事を書くことを快く思わなかった。彼はルーズベルト大統領が小児麻痺の治療の目的で作ったプールを記者室に改造した。◆ホワイトハウスの記者室は主に、大統領の記者会見やホワイトハウス報道官のニュースのブリーフィングに利用される。平日の正午からホワイトハウスの報道官と出入り記者たちとの質疑応答の方式で行われる定例ブリーフィングは、火花の散る舌戦の連続だ。1995年、ブリーフィングがテレビで生中継されたのをきっかけに、カメラを意識した記者たちの質問はさらに鋭くなった。国民の知る権利のための質問に聖域はない。ABCテレビのホワイトハウスの出入記者だったサム・ドナルドソンは、「悪い質問はない。悪い答弁があるのみだ」という名言を残した。ホワイトハウスのフライシャー報道官は01年1月22日から03年7月14日まで、300回に渡るブリーフィングを通じて、「出入記者たちとの戦争」を繰り広げた。しかし、彼は最後のブリーフィングで、メディアの役割をこのように評価した。「わが国の225年の歴史のなかで、何でも聞くことのできる自由なメディアがあるということと、また、これについて責任を負わなければならない政府があるということが、わが国が引き続き強く、自由な国であるための重要な要素だ」。◆ホワイトハウスの記者室が新たに改装されたというニュースを目にした日、韓国では、「市民と共闘する弁護士会」という弁護士団体が、政府の「取材支援システムの先進化方策」に対して憲法訴願を請求した。「記者室とは、記者たちが閉じこもって記事の方向を示し合わせるだけのところだ」と考えている大統領のゆがんだメディアへの考え方を裏付けるため、政府は55億ウォンをかけてブリーフィングルームの統廃合を行い、省庁の記者室を閉鎖している。自由なメディアについての理解の足りない現政権の核心勢力を、果たして民主主義者と呼べるだろうか。權順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com