美術品競売市場で最高落札値の更新が相次いでいる中、美術界の内部からは、「過熱」の後遺症を懸念する声が大きくなっている。
2日、ソウル市鍾路区平倉洞(チョンログ・ピョンチャンドン)ソウルオークションの競売で、朴寿根(パク・スグン)画伯の油絵「洗濯場」(72×37cm)が韓国競売史上、最高値である45億2000万ウォンで落札され、金煥基(キム・ファンギ)画伯の油絵「花と壺」(147×98cm)も、金画伯の作品の中で歴代最高値である30億5000万ウォンで落札された。朴画伯の作品は、「市場の人々」(62.4×24.9cm)が25億ウォンで落札されてから2カ月あまりの記録更新だ。00年、3億9000万ウォンで売られた金画伯の作品、「15−XII72#305ニューヨーク」は3月、再び競売市場に出て、10億ウォンで売れた。
作品の「高値」現象は、20、30代の若い作家たちの作品にまで広がっている。
「ジーパン作家」で知られたチェ・ソヨンさん(27)が、ジーパンの切れを貼って作った「釜山(プサン)風景」は、4月26日に開かれたソウルオークションの競売で、当初ソウルオークション側が推定した1000万〜1500万ウォンをはるかに上回る5700万ウォンで落札された。コップの中のキャンデーを極事実的にリアルに描いたアン・ソンハさん(30)の作品「キャンデー」も同日、当初の推定価格の5倍である2500万ウォンで販売された。
若い作家たちの作品が美術品競売市場で脚光を浴びるようになると、ギャラリーと美術品コレクターたちは若き作家の作品確保に熱をあげている。
平倉洞のGギャラリーのキュレーターは、「この頃、メージャー級ギャラリーが若い作家たちを全部確保したという噂がたつほど、若い作家に熱中している」と言った。昨年末の弘益(ホンイク)大美術大学院の卒業展示会には、韓国のメージャー・ギャラリーの館長まで来る珍しい風景が演出された。当時、展示会をみたある卒業生は、「3、4年前までは、観覧客と言えば、卒業生の友達と家族しかいなかった」と言い、変わった世相に驚きを表した。
韓国ギャラリー協会が推算した昨年の美術市場の規模は約3000億ウォン。市場の膨脹が美術界の土壌を堅くするはずだという肯定論に比例し、最近の熱風が「奇形的」という懸念も高まりつつある。
長老か若手かを問わず、極めて少数の作家の作品価格だけが急上昇する「傾き現象」が問題点として指摘される。
美術界では、最近になって作品価格が暴騰した作家が李デウォン、コ・ヨンフン、サ・ソクウォンさんなど30人あまり前後で、彼らの作品が市場取引きの90%を占めると指摘した。
若手作家層では傾き現象と作品価格の暴騰がもっとひどいようだ。04年、香港クリスティ競売を通じて一躍スターに浮上したチェ・ソヨンさんの作品は、デビューしてから4年余まりが経っただけなのに、中堅作家の作品価格とほぼ同じ水準にまで上がった。
美術評論家のチェ・ジュンモさん(50)は、最近の作品の高値現象について「投機性が濃厚」とし「作品を目で見て買うのではなく、耳で聞いて買おうとする人たちが作る現象だ」と分析した。そのうえで「海外競売価格と噂だけで作品を買おうとする人が増え、一部作品だけ天井知らずに価格が急騰している」と話した。
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