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「大リーグにサイ・ワンがあらわれた」

Posted September. 01, 2006 07:01,   

大リーグに新しい「イエロー突風」が吹き付けている。台湾出身投手の王建民(26、ニューヨーク・ヤンキース)がその主人公だ。

王建民は31日、両大リーグ勝率1位チームのデトロイトを相手に、7と3分の2イニングを投げ、無失点でシーズン16勝(5敗)を記録した。今季の大リーグ多勝1位タイだ。現在の趨勢なら、朴賛浩(パク・チャンホ、サンディエゴ、写真)が立てた東洋人の1シーズン最多勝記録(00年・18勝)はもちろん、20勝も見込めそうだ。

大リーグの公式ホームページは、伝説的な投手のサイ・ヤング(Cy young)の名前から、サイ・ワン(Cy Wang)という表現まで使った。

韓国の大リーグ掲示板では、王建民と朴賛浩の中でどちらが優れた投手であるかをめぐり、激論が繰り広げられたりする。大リーグ2年目の王建民を、通算113勝を上げた朴賛浩を単純比較するのは大きな意味はない。ただ、二人がいろいろな面で似通った点が多いということは明らかだ。

●先発出場の時、ヤンキースタジアムは「青天白日旗」の波

韓国は通貨危機で憂鬱だった1990年代後半。韓国民たちは、朴賛浩が剛速球で図体の大きいビックリーガーたちから三振を奪う姿をみて、希望を抱いた。

台湾民たちは王建民をみてプライドを感じる。台湾は厳然たる独立国だが、五輪などの国際体育行事では自国の国旗を使用できない。中国の反対のためだ。その代わり、五輪旗を掲げる。ところが、王建民が先発で登坂する日、ヤンキースタジアムでは青天白日旗が波をなす。朴賛浩が多くの三振を奪うことができたのは、150km台後半の剛速球と角度の大きなカーブ、そしてカーブとスライダーが合わさったスラブという球種のお陰だった。

王建民も150km台半ばの速球を投げる。しかし、187イニングを投げる間、三振はわずか62だけだ。主な武器がシンカーであるためだ。シンカーは、直球みたいに入ってきては、打者の前でいきなり落ちるボールだ。

シンカーのお陰で、王建民は代表的な打たせて討ち取るタイプの投手になった。今年、規定イニングを満たした87人の投手の中、9イニング基準で奪三振(2.98個)が最も少ない投手が他ならぬ王建民だ。

●150km剛速球…登坂する日は全国民がテレビの前に

00年代初めまで、韓国野球界は朴賛浩の話でいっぱいだった。今、台湾がそうだ。王建民が登坂する日は、新聞の1面と放送の初ニュースを飾る。

韓国でも、朴賛浩のため国内プロ野球の人気が落ちたことがあったが、台湾でも最近は、野球ファンたちがあまり台湾リーグを観戦しないそうだ。その代わり、午前に生中継される王建民の試合には、全国民の目と耳が集中されているという。



uni@donga.com