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(オピニオン)「17兆ウォン」

Posted January. 17, 2005 23:18,   

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生涯で1億ウォンの現金を目にすることさえ難しい庶民にとって、1兆ウォンがいかに大金であるかは、なかなか実感がわいてこない。物理的な大きさを想像することは、こうした場合の理解に役立つ。1万ウォンの新札を積み上げて100億ウォン重ねた場合、高さは約110メートルにのぼる。ソウルにある南山(ナムサン)の高さに積み上げるならば、1万ウォン札で約237億ウォンが必要になる。1兆ウォンの高さはエベレストに漢拏山(ハルラサン)と南山を足した高さに匹敵する。

▲昨年、海外旅行や留学、医療サービスなどで海外に流れ出たお金が17兆ウォンを越えると推算された。1万ウォン札基準計算すると、海外旅行が南山174個分、留学や海外研修のお金が南山309個分、医療や法務、広告などの事業サービスに南山220個分の高さに相当するお金が払われたことになる。もちろん、このお金がすべて無駄遣いとは言えない。このうち、かなりの金額は人的資源のレベルアップを図り、国内産業の付加価値を創り出すことに貢献するだろう。

▲それにもかかわらず残念に思わざるを得ないのは、このお金が国内で使われていたならば、韓国経済が今のような厳しい不況に苦しむことはなかっただろうと考えるからだ。17兆ウォンが国内で回っていたら、国内総生産(GDP)の成長率が1.8%に上昇しているだろうという。仕事にすると、9万人以上の失業者を救える金額だ。経済回復のためには、これからでもお金が海外に流れ出る代わりに、国内で回るようにしなければならない。

▲問題は方法だ。政府が「旧正月には国内でお金を使ってほしい」と国民に呼びかけることも一定の効果はあるかも知れない。しかし、逆らえないグローバル時代に、しかも「開放型通商国家」を掲げている国としては、愛国心に訴えることも限界がある。段階的な開放を進めることで教育や医療、法律、観光、レジャー産業の競争力を高めると共に、裕福な者たちに国内でお金を使ってもらえる環境にすることが根本的な解決につながる。市場保護は海外市場と国内市場の境界が明確になっている場合にしかその意味をなさない。消費者自らがよりよいサービスを求めて国境を越える経済環境では、「保護主義の扉」は無用の長物にしかならない。

千光巖(チョン・グァンオム)論説委員、iam@donga.com