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[オピニオン]無線機を利用したカンニング

[オピニオン]無線機を利用したカンニング

Posted April. 23, 2004 22:30,   

無線機時代の開幕は1930年代に米国から始まった。自動車に装備するラジオ開発の後、技術を発展させ双方向で送受信が可能な無線機を製作したのだ。パトカーに装備された無線機は、警察の機動力を向上させた。第2次世界大戦がたけなわだった1943年には「ウォーキトーキー」が登場した。無線機に必要な送受信機とアンテナー、電源設備を一つに統合して戦場で携帯できるようにしたのだ。押しボタンがついていて、手で押したり離したりしながら通話できるように考案された。連合軍の勝利はウォーキトーキーなくしてはありえなかったという評価だ。

◆1969年、米国のアポロ11号が人類初の月着陸に成功した際、宇宙飛行士の二—ル・アームストロングが発した言葉を世界の視聴者は生々しく記憶している。アームストロングは月面に第一歩を踏み出しながら、「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である」と語った。この言葉が地球に伝えられたのも無線機を通じてだった。無線機は人間の意思疎通の領域を無限大に拡張させた画期的な発明品である。

◆大学の編入学試験で無線機を利用した不正が大掛かりに摘発された。見返りをもらって正解を教えるのに無線機が動員されたのだ。TOEIC試験でも無線機を利用した不正があったという。修学能力試験(日本のセンター試験に相当)でも不正があったという噂が流れているのをみると、全ての試験で不正行為を念頭において徹底して備えるしかない。手法が次第に巧妙化される反面、試験をする側あが「まさか」という安易な態度でのぞむのは、不正の誘惑をあおるようなものだ。

◆若い世代がこうした誘惑にたやすくそそのかされることこそ深刻な問題である。なんでも苦労や努力をせず、簡単に結果を得ようとし、不法行為に呵責を感じない社会風潮が、若者の純粋な心を汚染しているのだ。こうした心構えで社会に一歩を踏み出す青年たちがまっすぐに成長すると期待することは無理だ。文明の利器は無線機のようにいつでも不正な目的で使われる両刃である。堕落したインターネットも同様である。若者たちの手につかませるものは先端機器より倫理と道徳ではなかろうか。大学編入学試験も道徳科目から先に受けさせなければならないようだ。

洪贊植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com