韓国西海(ソヘ)で起こった砲撃戦で権威を傷つけられた政府が、外交でも乱脈の様相を呈している。任晟準(イム・ソンジュン)大統領外交安保首席秘書官ら、外交の責任を負っている政府当局者らは、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の挑発にもかかわらず、米国が予定通り北朝鮮へ特使を派遣すると言ったが、正反対の結果となった。2日、米国務省報道官の特使派遣の撤回発表は、今回の事態を見る韓米両国の見解の相違を如実に現わしている。
わずか数日後の判断ミスで、政府の信頼を傷つけた外交責任者たちの言行は、軽く見過ごすわけにはいかない。
大統領外交安保首席が何の根拠をもって、重大な外交懸案について、そのような軽率な発言をしたのか理解しがたい。事態の意味を縮小しようとする考えなのか、あるいは単に無能によるものなのかはわからないが、いずれにせよ、ことは深刻である。
首脳会談の席で冷静に対応しなければならないと、日本政府を説得できたかもしれない。しかし、現場の情報を正確に把握している米国が、容易に韓国の主張に同調すると期待したこと自体が軽率であった。
韓米両国が互いに異なることを口にしたからには、当分の間、両国が韓半島の平和と緊張緩和に向けて緊密に協力するという言葉も信じがたい。ブッシュ米政権は一方主義という批判をかえりみず、北朝鮮など平和を脅かす国家に対して強硬策を固守している。政府はその現実を正確につかめず、苦境を自ら招いたと言われても、返す言葉はないだろう。
このようでは、二兎を追って一兎も得ずということになりかねない。政府は米朝対話に臨むよう米国を説得する前に、武力挑発をした北朝鮮の実相を十分に読み取って、正しく対応することが先であるという事実を認識すべきだ。そして判断を誤った外交責任者らに対する問責も怠ってはいけない。






