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[オピニオン]ベビーブーマーの再就職

Posted April. 18, 2012 06:36,   

「明け方に運動をしながら思いっきり泣きます。そうしないと、転職相談をする時、泣いてしまうから」。ソウル麻浦区孔徳洞(マポグ・コンドクドン)にある労使発展財団・ソウル転職支援センターを訪れたアン某さん(53)は、コンサルタントのキム・ミソン氏にこのように打ち明けた。自動車部品工場長を経て、自動車内装材会社を経営していたアンさんは、資金問題で会社をたたむ時も泣かなかった。しかし、再就職準備に乗り出した自分のために、毎朝朝食の用意をしてくれる妻や2人の子供のことを考えると、自ずと涙が出るという。

◆仁川(インチョン)転職支援センターのコンサルタントのチョン・ドヨン氏は、シニア世代の就職希望者に、「世の中も変わり、人も変わっているのに、あなた自身が変わらなければ、転職は難しい」と話している。チョン氏は、再就職支援の経験談を記した著書『40歳以降の恐怖とときめきとの間』のなかで、「40歳以降の荒唐無稽な夢は果敢に捨て、自分がどのような評価を受けているか正確に理解しなければならない」と主張している。自分だけにできる仕事を見つけ、キャリアをうまく活用すべきだということ。チョン氏は、「公開採用よりは、はるかに大きな割合を占めている高い人脈を使っての職探しをするため、自分をブランド化すべきだ」と付け加えている。

◆調査によると、韓国企業の定年の年齢は平均56歳だが、実際の退職年齢は平均54.1歳であるという。ベビーブーマー(1955〜1963年生まれ)の退職が始まり、再就職希望者は日々増え続ける。総人口の14.6%を占める712万人という巨大な人口集団だ。彼らのうち、年金や賃貸所得などの安定した収入源を持っているのは一部に過ぎない。100万ウォン足らずの国民年金を、繰り上げて受け取る人も多い。早期引退者が生活の安定を見つけることができず、さまようことになれば、政治的不満勢力になりかねないことを、政府や政界も気に留めるべきだ。

◆米国では、第2次世界大戦後、除隊軍人の就職支援のために実施した相談サービスが、1960年代の不況の際は、退職者支援プログラムへと発展し、1980年代にリストラを経験した大半の大手企業で実施された。企業と契約を交わした転職支援コンサルティング会社が実務を担当している。欧州連合(EU)は、メンバー国が拠出した基金を活用し、退職者の転職支援サービスを行っている。日本は終身雇用が難しくなった1990年代に、退職3年前から職業訓練方式で、転職を支援するプログラムができた。韓国企業も退職者に対し、システム的な転職教育を提供し、雇用へとつなげてこそ、社員から愛される企業になるのではないだろうか。

洪権熹(ホン・グォンヒ)論説委員 konihong@donga.com