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[オピニオン]「うるさい音」

Posted September. 06, 2006 07:01,   

1976年、フランスと英国はマッハ2.04(時速1370キロ)のコンコルド飛行機を共同開発して、超音速旅客機時代を切り開いた。しかし、コンコルドは騒音が決定的な弱点だった。音速を超える時裂ける爆発音(ソニックブーム)がかなり大きく、地上運航はできないまま海の上だけを飛んでいたが、03年にその翼を折った。次世代超音速旅客機を開発中の日本と米国は、騒音をコンコードの100分の1に減らすエンジンの研究にまい進している。旅客機のファーストクラスは、エンジンの騒音が一番小さく聞こえる操縦席のすぐ後ろ側にある。

◆世界の自動車メーカーの低騒音車開発に向けた競争も白熱している。特に、韓国の消費者は騒音に神経質的で敏感な方だ。そのような国民によって選ばれた盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領がギリシャへ行って、「変なこと」を言った。「国内でうるさい音がすると、大統領が熱心にやっていると思い、何も聞こえなければ、大統領が何もやっていないと思ってくれ」と、独特な基準を提供した。「空っぽの車はうるさい」ということわざに慣れている国民と、海外同胞の耳には荒唐なことに聞こえたかも知れない。

◆世間には歴代大統領を一文字で描写した言葉が流行っている。朴正煕(パク・ジョンヒ)元大統領は「鉄」、全斗換(チョン・ドゥファン)元大統領は「石」、盧泰愚(ノ・テウ)元大統領は「水」だそうだ。通貨危機を招いた金泳三元大統領は「空」、準備された大統領だと思った金大中前大統領は「偽」だとか。その次の大統領は北朝鮮への無条件支援の後片付けまで重なって「荒」になるという話があるが、盧大統領がそうなのかどうかは国民がそれぞれの基準で判断するものだ。安保と経済がさらに危うくなりそうな来年選ばれる大統領は、「ぎゃあ(気絶してしまう様子)」となるのではないか心配だとか。

◆不敬な笑い話だが大統領の「うるさい音」の発言も、高級なユーモアではない。音がうるさければ関心は引くだろうが、それが熱心に働いている証拠だというのはどうしても突拍子のない話だ。「盧武鉉らしい」と言うだろうか。昨年、「欧州心臓ジャーナル」は日常的な慢性的な騒音に露出されれば、心臓麻痺を起こす確立が高くなるという論文を掲載した。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com