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地下鉄の空いた席にも座れない、相次ぐナンキンムシの出現で日常と産業に影響、

地下鉄の空いた席にも座れない、相次ぐナンキンムシの出現で日常と産業に影響、

Posted November. 10, 2023 08:38,   

Updated November. 10, 2023 08:38

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主婦のリュさん(47)は最近、地下鉄の席が空いているにもかかわらず、座らずに1時間立ってきた。足は痛かったが、最近公共交通機関でナンキンムシが出没するというニュースを聞いて、ナンキンムシが移るのではないかと不安な気がして座らなかった。宅配を受け取れば、ひとまず玄関の外で開封して物だけを家の中に持ち込み、宅配箱はすぐゴミ分別場に捨て、ナンキンムシの撲滅剤を家中のあちこちに撒いている。リュさんは、「韓国にもナンキンムシが広がっており、ナンキンムシとの接触の機会そのものを最大限減らそうと思う」と話した。

●「ナンキンムシフォビア」が拡散、出没状況のお知らせサイトも

ナンキンムシの出没のニュースが相次いでいるうえ、オンラインコミュニティを中心に高速鉄道(KTX)やEコマース業者の配送箱などでナンキンムシを見たという目撃談が出て、ナンキンムシと接触するかもしれないという不安である「ナンキンムシ・フォビア」が広がっている。各企業は不安を減らすため、防疫を強化している。

9日、ハイマートによると、1~7日の寝具掃除機と乾燥機の売上は、直前の同期(10月25~31日)比2.7倍増加した。Gmarketでも、今月1~7日基準でナンキンムシ撲滅剤の売上が昨年同期に比べ852%伸びた。11番街でも、1~7日基準でダニ撲滅剤の売上が前年同期比559.7%伸びた。

オンラインには、ナンキンムシの出没記事を集めて統計を出すサイト「ナンキンムシボード(bedbug board)」まで登場した。ナンキンムシの日刊、週間、月間出没回数だけでなく、ナンキンムシの発生地域と関連ニュースを集めた。

海外でも、韓国発ナンキンムシに対する不安が出ている。9日(現地時間)、香港サウスチャイナモーニングポスト(SCMP)は、韓国のナンキンムシ出没のニュースを取り上げ、ナンキンムシの流入を防ぐため、香港食品環境衛生署は8日、旅行客を対象にナンキンムシ関連教育を強化すると発表した。

●赤信号が灯った物流・宿泊業界

産業界は、物流と宿泊業界を中心に「ナンキンムシの赤信号」が灯っている。物を色々な所に運ぶ物流業はナンキンムシに脆弱だと名指しされたが、防除・防疫を定期的に行うので、ナンキンムシが出にくいという立場だ。CJ大韓(テハン)通運の関係者は、「宅配箱は、主に段ボールで作られ、人や動物、繊維に主に生息するナンキンムシが付きにくい」と話した。ホテル業界も、マットレスの掃除にさらに気を使うなど防疫を強化している。ホテル業界の関係者も、「(イメージが重要なホテルの特性上)ナンキンムシが一度出れば終わりだという心構えで対応している」と話した。

オンラインコミュニティなどで、クーパンの物流倉庫やフレッシュバックからナンキンムシが出てきたという文が出回ったが、クーパンは事実無根だという立場だ。クーパンの関係者は、「虚偽事実およびデマの流布者に法的責任を問う」と明らかにした。

KTXでのナンキンムシの出没説も出てきたが、KORAILは、「ナンキンムシ関連通報が入ってきたことなどない」と明らかにした。同時に搭乗客の不安を減らすために、先月26日から33チーム、171人で構成された「ナンキンムシ防止機動班」を立ち上げ、今月6日からは害虫遮断のための合同対策本部を運営している。国土交通部の関係者も、「空港と航空機などの交通手段の防疫を強化している」と話した。

高神(コシン)大学保健環境学部のイ・ドンギュ教授は、「ナンキンムシは、国内で2006年から地道に発見されているだけに、最近の状況はナンキンムシが蔓延し、大きな懸念を抱くほどではない」とし、「普段のように衛生を維持し、デマに頼らず、ナンキンムシに噛まれたと疑われる場合は、速やかに防疫当局に通報してナンキンムシを撲滅しなければならない」と述べた。


チョン・ソヨン記者 チョン・スング記者 cero@donga.com