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冬夜抄

Posted February. 04, 2023 08:38,   

Updated February. 04, 2023 08:38

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趙芝薫(チョ・ジフン)は、鄭芝溶(チョン・ジヨン)の推薦で詩人になったことはよく知られている。あの頃は詩人になる過程が今とは少し違った。「推了」といって推薦を3回完了して初めて詩人と呼ばれた。趙芝薫は1939年に初めて作品が推薦され、翌年1940年2月に推薦が完了した。『文章』に掲載された最後の推薦作品が、あの有名な「鳳凰愁」とあまり知られていない「香紋」の2編。80年の歳月が流れたが、季節的にはぴったりの時だ。1940年の2月に20歳の青年趙東卓(チョ・ドンタク)は詩人趙芝薫となった。

推薦完了を祝う文で、鄭芝溶は趙芝薫を「回顧的エスプリ」を持つ新古典の詩人と称賛した。古めかしい世界への愛がこの上ないという言葉だが、「冬夜抄(トンヤチョ)」でもそのような雰囲気を十分に感じることができる。

この詩はかなり妙だ。内容は短いが構成が豊かで、場面の切り替えもダイナミックだ。1連は遠い風景だが、2連では近い風景になる。2連は遠い過去だが、3連では今日の現実になる。そのため読んでいると映画を見るようにパノラマが流れる。しかも、厳格なイメージの詩人趙芝薫が本人を「大きくなった赤ちゃん」と表現し、祖母を懐かしむ姿は人間的だ。このように詩人趙芝薫が誕生した月、冬の夜の趣きと詩人趙芝薫の特徴がよくわかる詩を楽しむことは私たちの小さな喜びになるだろう。