Go to contents

[社説]「統一」削除し「核」明記した北朝鮮憲法 拙速な接近より冷静な管理を

[社説]「統一」削除し「核」明記した北朝鮮憲法 拙速な接近より冷静な管理を

Posted May. 08, 2026 08:36,   

Updated May. 08, 2026 08:36


北朝鮮が憲法改正を通じて領土規定を新設し、「北半部」「祖国統一」など統一関連の表現をすべて削除したことが確認された。北朝鮮の新憲法は第2条に領土条項を新設し、「北は中華人民共和国とロシア連邦、南は大韓民国と接する領土、およびそれに基づき設定された領海と領空を含む」と規定した。また新憲法は、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の権限と地位を大幅に強化し、総書記の核兵器指揮権や、有事の際にその権限を核武力指揮機構に委任できることまで明記した。

北朝鮮が3月の最高人民会議で改正した新憲法は、この数年間、金正恩政権が推し進めてきた核武装強化と韓国との断絶の制度的な到達点と言える。米朝間の非核化交渉が決裂した後、北朝鮮は核・ミサイルの高度化に邁進し、核保有国としての地位確保へと路線を転換した。2022年10月には、いわゆる「核武力政策法」で核兵器使用条件5項目を提示し、先制核攻撃まで警告した。翌年には、正恩氏の核指揮権行使に向けた統合管理体系として「核の引き金」まで整備した。

こうした核武装による生存戦略は、韓国との断固たる断絶へとつながった。正恩氏は23年末、70年以上続いた民族統一路線を放棄し、「敵対的2国家」への転換を宣言した。その後、南北連結道路の爆破や休戦ライン一帯の要塞化、対韓国機構の廃止などを通じて、韓国とは完全に別個の国家として進む意思を具体化した。かつては核兵器が韓国を狙ったものではないとしていた北朝鮮が、今や韓国も同族ではないとして核攻撃対象と位置付け、「核の人質」にしているのだ。

北朝鮮は国際情勢の変化に素早く乗じて、国際的地位まで高めた。ロシアのウクライナ侵略戦争に数百万発の砲弾を提供したのに続き、大規模な派兵で「血盟」関係を築いた。それを土台に中国との関係も進展させ、北朝鮮・中国・ロシアの3カ国連帯を誇示した。2大国を後ろ盾にした北朝鮮は、いまや公然と核保有国として振る舞い、国際社会の制裁さえあざ笑っている。

このように北朝鮮がますます脅威的で扱いにくい存在になっている一方で、韓国政府の対応は右往左往している。政府は昨年、南北交流や関係正常化、非核化を掲げた「END構想」を提示したが、いつの間にかその表現は姿を消した。最近では統一部が北朝鮮を「朝鮮」と呼ぼうと主張したが、韓国国内の対立を招いただけだとの批判を浴びた。今は拙速な北朝鮮への接近ではなく、核抑止力の強化や北朝鮮との今後の交渉に向けた韓米間の戦略調整など冷静な対外管理が切実に求められる。