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検察に代わる重捜庁・公訴庁法案公表 捜査の空白を生まぬ設計を

検察に代わる重捜庁・公訴庁法案公表 捜査の空白を生まぬ設計を

Posted January. 13, 2026 10:21,   

Updated January. 13, 2026 10:21


政府は、10月に検察庁を廃止し新設される公訴庁と重大犯罪捜査庁(重捜庁)の組織・運営を定めた公訴庁法案と重捜庁法案を12日、立法予告した。法案は、公訴庁の検事が捜査を開始できず、起訴と公判維持のみを担うことを明記している。重捜庁は、汚職、経済、内乱・外患、大型惨事など計9分野の重大犯罪を捜査する。

だが、重捜庁の人員構成を、法律家中心の「捜査司法官」と捜査を専門とする「専門捜査官」に分けた点をめぐり、与党の強硬派から「第2の検察になる」と反発する声が出ており、国会審議での曲折は避けられそうにない。

政府が重捜庁に捜査司法官を置くのは、多くの検事が重捜庁へ移るよう促す狙いがある。78年続いた検察の解体を前に、捜査の空白を危惧する声が少なくないのも現実だ。新設組織が軌道に乗るまでには時間を要し、検事の移籍が進まなければ、検察が蓄積してきた捜査ノウハウが失われかねないからだ。

それでも、与党や法曹界の一部からは、公訴庁が設けられる以上、重捜庁に法務機能を担う人員を別立てで置く必然性は乏しいとの指摘がある。捜査司法官と専門捜査官からなる人員構造は、検察の検事・捜査官体制と酷似しており、将来的に検察を容易に復活させる余地を残すとの批判も根強い。大枠を維持するとしても、こうした疑念を払拭する工夫が必要だ。

事件の管轄をめぐる混乱も、事前に防がねばならない。捜査関連法は犯罪類型や被疑者の地位によって権限を分けているが、複数の人物がいろんな容疑で絡む事件は珍しくない。戒厳捜査の初期に、公捜処、検察、警察が同時並行で動いたように、複数の機関が競合すれば混乱と捜査力の浪費を招き、逆に責任を押し付け合えば捜査は停滞する。政府は9大犯罪について重捜庁が他機関への事件移送を要請できるとするが、より精緻な設計で権限を巡る火種を残さぬようにすべきだ。

政府は、検察改革の核心である「公訴庁検事の補充捜査権」を認めるかどうかは、今後の刑事訴訟法改正で検討するとしている。だが、与党の強硬派は「いかなる形でも検事に捜査権を残すべきでない」と強く反発している。補充捜査権の濫用は警戒されて当然だが、捜査が不十分なまま真相が埋もれ、起訴の完結性が損なわれる事態も決して許されない。

検察改革の残された課題は、いずれも国民の基本権を守り、刑罰権を適正かつ有効に行使するという本来の目的に立ち返って結論を出すべきである。