
昨年12月3日の「非常戒厳」をめぐる事件を担当する「内乱専担裁判部」の設置法案が23日、与党「共に民主党」主導で国会を通過した。違憲論議の中でたびたび修正された同法案は、事実上、大法院(最高裁)が策定した専担裁判部設置の例規と内容が同一となったが、同党が法案処理に固執した結果、かえって尹錫悅(ユン・ソクヨル)前大統領らの内乱裁判を遅らせる口実を与えたとの指摘が出ている。
国会は同日、本会議で「内乱・外患・反乱犯罪等の刑事手続きに関する特例法」(内乱専担裁判部設置法)を賛成175、反対2、棄権2で可決した。野党「国民の力」の張東赫(チャン・ドンヒョク)代表が前日から憲政史上最長となる24時間のフィリバスター(議事妨害)で法案阻止に乗り出したが、「共に民主党」は国会法に則って討論を強制終了させ、採決で法案を通過させた。「国民の力」は採決に参加しなかった。
「共に民主党」は当初、法務部長官や憲法裁判所事務処長など外部中心の推薦委員会が専担裁判部の裁判官を推薦する方式の内乱裁判部法を推進したが、違憲論議が起こると、裁判官代表会議など裁判所内部で推薦委員会を構成する修正案へと転じた。しかし、推薦委員会による裁判官選任自体が違憲との指摘が再燃し、最終案では推薦委員会そのものを廃止し、ソウル中央地裁・ソウル高裁の判事会議と事務分担委員会が内乱専担裁判部を構成できるようにした。
この過程で大法院は、判事会議と事務分担委員会を経て内乱専担裁判部を運営するとの専担裁判部例規を制定した。無作為に割り当てられた裁判部が内乱事件を担当することで、「共に民主党」の要求は事実上受け入れられ、違憲性論議からも脱したかに見えた。
しかし、「共に民主党」が大法院例規と類似した内容の内乱専担裁判部法を国会で通過させたことで、尹氏ら「12・3非常戒厳」関係者らの裁判がさらに遅れる可能性が生じた。首都圏高裁のある部長判事は「内乱被告人の立場からすれば、特定事件のための裁判部を民主党が事後的に作ったため、公正な裁判を受ける権利が侵害されたとして、違憲法律審判を申し立てる余地が生まれた」と指摘した。
「国民の力」の崔宝允(チェ・ボユン)首席報道担当は論評で、「民主党はついに自ら歴史の罪人となる道を選んだ」とし、「立法権力で裁判の結果を設計しようとする試みであり、それ自体が憲法秩序に正面から背く選択だ」と批判した。さらに「包装紙を何重に替えても違憲の本質は消えない」とし、「民主党の『場当たり的修正』は、自ら問題があると認めた自白にすぎない」と断じた。
キム・ジャヒョン記者 ソン・ヘミ記者 zion37@donga.com






