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「金融界の腐敗インナーサークル」、「官治回帰」を警戒しなければ

「金融界の腐敗インナーサークル」、「官治回帰」を警戒しなければ

Posted December. 22, 2025 09:59,   

Updated December. 22, 2025 10:00


李在明(イ・ジェミョン)大統領は19日、金融委員会や金融監督院からの業務報告で金融持株のガバナンス問題に言及し、「放置してきた結果、腐敗した『インナーサークル』が生まれ、少数が持ち回りで支配権を行使している。会長をやり、次は銀行頭取に戻り、10年、20年と居座っている」と批判した。これを受け金融監督院は、ガバナンス改善タスクフォースを通じて、来月までに立法課題をまとめるとした。

最高経営責任者(CEO)が「セルフ再任」を繰り返し、それを監視すべき取締役会が「追認機関」に化しているとの指摘は、金融業界で長年続いてきた。2000年代初頭の金融持株体制移行後、会長の連続再任、さらには3期続投も珍しくなかった。いったん会長に就くと、取締役会を身内で固め、競合勢力を排除しながら「陣地」を築き、長期執権を維持する。内部の監視と牽制が機能せず、保身主義が蔓延し、企業競争力を損なってきたとの批判も多い。

最近の主要な金融持株会長選任過程でも、「不透明な選任」論議が繰り返された。再任が確定した新韓金融持株、再任を狙うウリ金融持株はいずれも外部候補を公開せず、不透明性が問題視された。現職会長の再任が確定したBNK金融持株も、実質的な候補受付期間が4日間しかなく、「拙速選任」との批判が出た。金融監督院が2年前に「金融持株・銀行ガバナンス模範慣行」を整備したが、構造的な問題は依然として解消されていない。

金融会社のガバナンス改善は必要だが、国家が民間企業経営に過度に介入する「官治」への逆戻りは警戒すべきだ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権下でも、銀行の公共性やガバナンス高度化を掲げて金融会社を強く圧迫し、「賢明な判断を期待する」として会長の再任を断念させた。一方で、その空席を大統領選陣営や官僚出身者で埋めた。最近、金融監督院が検討している国民年金による金融持株への社外取締役直接推薦案も、政府が年金を通じて銀行経営に介入する意図と受け取られかねず、慎重であるべきだ。

銀行など特定の支配株主を持たない「所有分散企業」は民間企業でありながら公共性が強い。だからこそ、公正で透明なガバナンス確立が重要だ。取締役会の独立性と市場の信頼を損なわずに、実効性あるガバナンス改善策を模索しなければならない。「内部カルテル」と「外部天下り」という両極端を行き来する慣行には、今こそ終止符を打つ必要がある。