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コロナ感染後の認知機能低下、マウス実験で確認

コロナ感染後の認知機能低下、マウス実験で確認

Posted December. 11, 2025 10:49,   

Updated December. 11, 2025 10:49


新型コロナウイルス感染症のウイルスが脳機能に影響を与え、認知能力を低下させるとの研究結果が報告された。

疾病管理庁・国立保健研究院は10日、コロナ感染後に報告される集中力低下や記憶力低下などの認知障害の原因を、動物実験によって科学的に解明したと発表した。研究結果によると、コロナウイルスのスパイクタンパク質(S1)が脳に到達して神経細胞間の結合機能を妨げ、記憶形成に重要な遺伝子の発現を減少させることが分かった。

研究チームがウイルスS1をマウスの鼻腔に投与したところ、迷路を脱出する時間が長くなど学習・記憶能力が低下し、見知らぬ空間での不安行動も増加した。これはコロナ感染患者に現れる認知能力低下と類似する症状だ。6週後には神経細胞数が減少し、さらに認知症やパーキンソン病など退行性脳疾患を引き起こす毒性タンパク質「タウ」や「アルファシヌクレイン」が蓄積することも確認された。研究チームは「長期的な脳損傷の可能性も示唆される」との見解を示した。

ただし研究チームは、糖尿病治療薬を活用することで脳機能低下を防止できる可能性も示した。糖尿病治療薬「メトホルミン」を投与した実験では、神経細胞の機能が回復し、毒性タンパク質の蓄積が減少する効果が見られた。

研究を主導した国立保健研究院のコ・ヨンホ博士は「コロナ感染後に表れる認知障害の原因を解明し、臨床で広く使われるメトホルミンがそれを有意に抑制し得る可能性を示した」とし、「今後、慢性コロナ後遺症の治療薬としての可能性を検討する必要がある」と話した。


朴星民 min@donga.com