Go to contents

ローンスター勝訴に酔う政府 第2のローンスターに備えているか

ローンスター勝訴に酔う政府 第2のローンスターに備えているか

Posted December. 02, 2025 10:37,   

Updated December. 02, 2025 10:37


かつてローンスター事件は年末の政界を揺さぶる「時限爆弾」になるとの声が多かった。政府は2022年、外資系プライベート・エクイティのローンスターとの外換銀行売却をめぐる国際投資紛争(ISDS)の仲裁判定により、約3200億ウォンを賠償するところだった。政府が不服を申し立てて争った取り消し請求で先月幸いにも勝訴したが、もしそうでなかったなら、国民の血税を相当吐き出す局面だった。責任の所在をめぐる政治攻防で騒がしくなるのは目に見えていた。2022年の判定前、金融当局では「政界で国政調査や監査院調査、検察捜査までありとあらゆる話が出るだろう」との声があった。ローンスター問題に少しでも関係した当局者は「知らない」と口を閉ざすしかなかった。

政府が、そんな雰囲気を覆して勝訴すると、金民錫(キム・ミンソク)首相が「重大な成果」と発表し、野党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)前代表は取り消し請求当時、自身が法務部長官だったことを強調するので、なんとも気まずいばかりだ。

韓国政府が長きにわたる法廷闘争で勝利したことは、確かに労苦の賜物として認められるべきだ。しかし22年も引きずった紛争の教訓を忘れてはならない。いつでも第2のローンスターが韓国政府を揺さぶりかねない。政府も、別のISDSで勝訴する準備ができていると自信を持って断言できるだろうか。

ローンスターが「食い逃げ」したという指摘は今も痛烈だ。ローンスターは2003年8月、外換銀行株式51%を1兆3834億ウォンで買収し最大株主になった。12年1月、外換銀行を約4兆ウォンでハナ金融持株に売却し、巨額の差益を得て韓国市場を去った。むろん、その後、これを防ぐための規制は多数導入された。年金基金など専門機関投資家がプライベート・エクイティ・ファンド(PEF)投資者として参加し監視する仕組みが整い、政府の大株主適格性審査も強化された。

それでも課題は残る。国会ではPEFの保有期間を義務的に長く設定したり、PEFによるLBO(借入買収)の上限をさらに縮小する法案が提出されている。PEFには企業経営を改善する正の機能もあるため、「略奪資本」とのレッテル貼りには慎重であるべきだが、安全装置の議論は必要だ。

政府が22年前、ローンスターの外換銀行買収を審査した際、ローンスターが「産業資本」に該当するか厳しく確認していれば、そもそも「誤った出会い」は始まらなかったとの悔いも残る。当時の銀行法は、非金融部門の資産規模が2兆ウォン以上の産業資本は銀行株式10%(議決権株式は4%)以上保有できないと定めていた。ローンスターは日本でゴルフ場や結婚式場を運営する企業を保有していた。当局は外換銀行の不良債権が深刻だった状況を理由に銀行法施行令の例外条項を認めて買収を承認したが、産業資本論争は絶えなかった。

ローンスター事件の傷痕が色濃いのは、紛争が長期化したためだけではない。政府が外換銀行をローンスターに売却する過程で、市場とのコミュニケーションが足りなかった影響が大きい。決定過程を透明に示していれば不必要な誤解を招かなかっただろう。韓国の金融企業もこの22年間を振り返る必要がある。ローンスターの餌食にはならなかったとしても、いまだに「融資中心の事業から脱却せよ」との批判が繰り返されている。