
ソウルのある小学校教員だったイムさん(30、女性)は、教員任用3年目の昨年、教壇を去った。「子どもが好きで教師になったが、自分を守るためには辞めるしかなかった」と語った。6年生男子生徒がハサミを持って激しく暴れても、児童虐待の通報を懸念して制止できないことが繰り返された。生徒に殴られて入院した同僚教師、過度な保護者クレームで精神科診療を受ける先輩教師を見て、イムさんは「これ以上耐える意味はない」と感じたという。ストレスでパニック障害の症状が出るようになり、学校を離れる決心を固めた。
昨年、イムさんのように退職した勤続10年未満の若手教員は626人にのぼった。20日、国会教育委員会所属の野党「国民の力」の金玟甸(キム・ミンジョン)議員が教育部から提出を受けた資料によると、全国の国公立小中高校で勤続10年未満の退職教員は、2020年473人、21年485人、22年546人、23年585人、24年626人と毎年増加している。今年は1〜9月の退職者だけで606人に達し、昨年を上回る見通しだ。私立学校教員も含めれば規模はさらに大きい。
23年のソウル瑞二(ソイ)小学校教員死亡事件以降、いわゆる「教権5法」が成立したものの、現場の教員は大きな変化を感じられないと口をそろえる。若手教員の退職が増え、教員社会の無力感が深まり、公教育の基盤が揺らいでいるとの指摘が出ている。
キム・ソヨン記者 ksy@donga.com






