
妻はついに崩れ落ちた。写真の中の夫は黒いスーツにネクタイを締め、柔らかな微笑みを浮かべていた。しばらく写真を見つめていた妻は、うなだれた後、しばらくの間嗚咽した。静寂だけが流れていた弔問室は、泣き声で満たされた。
7日午後3時頃、蔚山市南区(ウルサンシ・ナムグ)の蔚山病院葬儀場には、前日南区トンファ洞の韓国東西(トンソ)発電内でボイラータワーが倒壊して埋没し死亡したチョン氏(49)の弔問室が設けられていた。チョン氏の親族は「(チョン氏は)配偶者と婚姻届だけ出して結婚式も挙げられないほど仕事に追われていた」とし、「いつも休まず勤勉に働く甥だった」と涙ぐみながら話した。
遺族によると、チョン氏はソウルに住みながら日雇い労働者として地方出張をしていた。チョン氏は精肉店を営んだが収入が上がらず店を閉め、より多くの収入を得られる職場を探していた中で、生活費の足しにしようと日雇いの仕事を始めた。今回も契約社員として仕事を求めて蔚山まで来ていたところ、事故に遭ってしまった。
チョン氏の訃報に、妻は衝撃で体を支えきれず、チョン氏の弟に支えられながら弔問室の外を行き来した。遺族は「建物が崩れたのではなく、胸が張り裂ける」とし、「ニュースでこうした事故を見るたび、今度こそ起きないだろうと思っていたが毎回繰り返される」と憤った。
この日、埋没事故の現場で愛する人を失った家族は悲痛を隠せなかった。別の死亡者であるイ氏(64)の遺体が仮安置された南区中央病院葬儀場には、この日午後、死亡の知らせを聞いて駆け付けた遺族が到着し、周囲を悲しませた。比較的落ち着いた表情で葬儀場に入った遺族は、堪えていた涙をあふれさせ号泣し、茫然とした表情で席に留まった。
蔚山=チョン・ジョンヒョン記者、ト・ヨンジン記者 punch@donga.com






