
大法院(最高裁)が、崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長と盧素英(ノ・ソヨン)アートセンターナビ館長の離婚訴訟で二審判決を覆し、崔氏側の主張を認めたことで、SKグループは安堵の空気に包まれている。崔氏が2017年7月に離婚調停を申し立ててから約8年ぶりに、盧氏との財産分与をめぐる「支配構造リスク」から解放された形だ。
二審判決どおりであれば、崔氏は保有するSK株の一部を売却するか、SK株を担保に融資を受ける必要があった。二審が認めた盧氏の財産分与額は1兆3808億ウォン。二審が確認した崔氏の資産総額は3兆9883億ウォンで、そのうち不動産や現金など株式を除く資産は約5000億ウォンと推定されていた。崔氏は6月末現在、SK(株)の株17.9%を保有しており、これを通じてSKテレコムやSKイノベーションなどの主要系列会社を支配している。
財界では今回の判決で、SKグループが盧泰愚(ノ・テウ)政権当時に不当支援を受けて企業規模を拡大したという疑惑が払拭されるとの見方が出ている。通信(SKテレコム)などSKグループの主力事業が、盧氏の父である盧泰愚(ノ・テウ)元大統領の不正資金などの政府支援で成長したとの疑惑だ。二審は、盧元大統領夫人の金玉淑(キム・オクスク)氏が保管していた「鮮京(ソンギョン)300億」のメモなどを根拠に、SKに裏金が流れ、グループ拡大に盧氏側の寄与が大きかったと判断した。
しかし、大法院が二審判決を破棄差し戻したことで、SKグループは経営権リスクを大きく減らすことができた。崔氏自身も私的問題から離れ、人工知能(AI)事業の拡張など経営の喫緊課題により専念できるようになった。SKの関係者は「今回の判決で、裏金でSKグループが成長したという誤解が解け、構成員の名誉と誇りが回復されることを望む。今後は経営に専念する方針だ」と語った。
一方、日本ソフトバンクの孫正義会長からドナルド・トランプ米大統領の別荘であるマー・ア・ラゴへの招待を受けた崔氏は同日、ソウル金浦(キムポ)ビジネス航空センターから出国した。盧氏の弁護人は「特に申し上げることはない」とだけコメントした。
パク・ヒョンイク記者 パク・ジョンミン記者 beepark@donga.com






