
与党自民党が10日、1999年から26年間にわたり連立を組んできた公明党から、突如「決別」を通告された。新たな連立パートナーを見つけられなければ、2012年以来13年ぶりに野党に政権を奪われる可能性もある。4日に自民党新総裁に選出された高市早苗氏も、今月中旬の国会での首相指名選挙を前に連立交渉を急いでいるが、成果は上がっていない。
こうした中、野党の有力候補である国民民主党の玉木雄一郎代表(56、写真)は10日、「首相を務める覚悟ができている」と述べ、政権交代論に火をつけた。首相指名選挙を前に、与野党が激しい政権争奪戦に入ったとの見方が出ている。
玉木氏は自民・公明両党の連立崩壊が明らかになった10日、自身の「X」(旧ツイッター)に「首相を務める覚悟があります」と投稿し、事実上の出馬表明を行った。野党第1党の立憲民主党が玉木氏を次期首相候補に言及したことについては「責任を感じている」と述べた。
一方、玉木氏は11日、国民民主党と立憲民主党の間には安全保障やエネルギー政策など主要課題で少なからぬ路線の違いがあるとし、「現在の立憲民主党とは組めない」と明言。その代わり、公明党との連立の可能性を探る意向を示した。
公明党は今回の首相選出で「キャスティングボート」を握る存在となっている。斎藤鉄夫代表は当初、「首相選挙では高市氏にも野党候補にも投票しない」としていたが、「政治状況を見て、党内で議論して決める」と述べたと、読売新聞が12日に報じた。
首相指名選挙は衆議院(定数465)の過半数を得た候補が選出される。現在の議席は自民党196、立憲民主党148、日本維新の会35、国民民主党27、公明党24。
自民党は単独過半数まで37議席足りない。一方、第1~第3野党を合わせても210議席で、やはり単独過半には届かない。このため1回目の投票では過半数を得る候補は出ず、決選投票に持ち込まれるとの見方が多い。決選では過半数ではなく最多得票者が首相となる。
高市氏は公明党からの決別通告を受け、「(自分でなくても)誰が新総裁になっても同じ結果だった」と述べ、自身の強硬保守路線が原因ではないとして責任論を否定した。
高市氏は「ポスト公明党」探しに奔走している。朝日新聞は12日付で「自民党は日本維新の会と接触しているが、連立の見通しは不透明」と評した。自民党はかねて国民民主党との連立を模索したが、明確な回答を得られていない。
首相指名選挙は今月20日以降に行われる見通しだ。高市氏に残された連立工作の時間はおよそ1週間。14日には衆参両院の議員懇談会を開き、事態打開策を協議する予定だ。
黃仁贊 hic@donga.com






