政府業務システムの約4割を麻痺させた大田(テジョン)国家情報資源管理院の火災事故が、停電時の電源供給用として設置されたリチウムイオンバッテリーから発生したことが確認され、バッテリーの安全性への懸念が高まっている。電算システムだけでなく、電気自動車や携帯電話など、私たちの日常生活のあらゆる分野で広く使われているためだ。特に韓国は、バッテリー製造技術が世界最高水準と認められているにもかかわらず、安全管理能力では後進国レベルの欠陥を露呈した形となった。
今回の火災は、26日午後、本院5階の電算室で、サーバー横に設置されていた無停電電源装置(UPS)用リチウムイオンバッテリーを地下に移す作業中、バッテリーの一つから火花が飛び散って始まったという。LGエナジーソリューションが製造し、2014年に供給したバッテリーで、使用期間は10年を超えており、販売・管理を担当するLG CNSが昨年6月、交換を勧告していた老朽設備だった。バッテリーの移設作業に投入された13人も、地域の小規模外注業者の従業員やアルバイトで、些細なミスが火災につながった可能性が指摘されている。
さらに、電算室ではバッテリーとサーバーの間隔がわずか60センチしかなく、火災が直ちにシステムを直撃した。狭い空間のため、消火作業も深刻に遅れた。ほぼ同様の状況で発生した2022年のカカオ板橋(パンギョ)データセンターの火災事故を受け、政府は予防マニュアルを作成したが、今年は勧告にとどまり、義務化は来年からの予定だった。急げば防げた事故を放置したことになる。
バッテリー関連事故は、すでに国民の安全を脅かす重大な要因となっている。2025年上半期だけで296件の事故が発生した。昨年6月には京畿道華城市(キョンギド・ファソンシ)のリチウムバッテリーメーカーのアリセルで火災が発生し、23人の労働者が死亡する大惨事となった。今年8月にはソウル市麻浦区(マポグ)のマンションで、充電中の電動スクーターのバッテリーが爆発し、母子が死亡、多数の住民が負傷した。
政府が運営する電算システムのバッテリー管理がこのようにずさんであれば、他の施設も安全だとは言えない。大半の電算施設で同様のバッテリーが使われていることから、今回を機に関連施設の一斉点検を行い、運営者や労働者の安全意識を高める必要がある。さらに、政府や関連企業はバッテリー火災を未然に防ぐ警報システムや、火災を早期に鎮圧するためのソリューション開発を急ぐべきだ。
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