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品位ある祝福と飛躍のための反省、テニス敗者がコートに残る理由

品位ある祝福と飛躍のための反省、テニス敗者がコートに残る理由

Posted September. 13, 2025 09:47,   

Updated September. 13, 2025 09:47


スポーツの歴史は勝者の記録である。どんなに善戦しても、敗者は記憶の中から消えてしまうことが多い。しかし、テニスでは決勝で敗れた選手が表彰式後もコートに残る。そして、勝者と観客の前で先にマイクを握る。他の競技ではあまり見られない光景だ。

切望していたトロフィーを奪われた直後であっても、選手たちは勝者がいかに素晴らしい試合を展開したか、自分に何が不足していたかを語る。多くの選手が涙を流しながらも、祝福と反省を込めたスピーチを行う。四大大会優勝を24回経験したノバク・ジョコビッチ(38・セルビア)は、「血がまだ熱いうちにやらなければならないことだ。相手を認めて尊重すべきだが、感情を抑えながら良い話をするのはいつも簡単ではない」と語った。

女子テニス世界ランキング1位アリーナ・サバレンカ(27・ベラルーシ)は、四大大会の全豪オープンと全仏オープンで続けて準優勝した後、相手への祝福で始めるスピーチの慣習を破った。彼女は「ひどい試合をして正直とてもつらい。コーチたちの顔を見るのも恥ずかしい」と自己批判に集中した。このためファンの間では勝者を認めなかった行為との批判が起こり、サバレンカは「感情を抑えられなかった。今後このようなことはない」と謝罪した。

「キャリア・グランドスラム」(四大大会すべて優勝)の記録を持つマリア・シャラポワ(38・ロシア=引退)は最近、「準優勝スピーチは最もつらい瞬間」と語りながらも、「人間性はつらい瞬間を乗り越えるときに現れる。その点で準優勝スピーチは(将来の)勝利に役立つ」と話した。

シャラポワは現役時代、四大大会の表彰台に10回立った。優勝スピーチは5回行った。最初の優勝スピーチは2004年ウィンブルドンで、当時シャラポワに先立ってマイクを握った敗者はセリーナ・ウィリアムズ(44・米国=引退)だった。最後の四大大会スピーチは2015年全豪オープン。ウィリアムズに敗れて準優勝スピーチをしたシャラポワは、「最高の選手ウィリアムズと試合するとわくわくする」と言い、「今日は力不足だったが、これまで費やした努力には誇りを持っている。ロード・レーバー・アリーナで人生最高の勝利も経験したし、最もつらい敗北も味わった。しかしそれがテニス選手の宿命だ」と述べた。

シャラポワは先月、テニスの殿堂入りを果たした。記念式の舞台にシャラポワより先に上がったのは「天敵」ウィリアムズだった。シャラポワはウィリアムズとの対戦成績が2勝22敗だ。最も傷つけられた選手が、自身の殿堂入りを紹介する状況が展開されたのだ。これはシャラポワ自身がウィリアムズを直接招待して始まったことである。シャラポワは「ウィリアムズは私のアイデンティティを作ってくれた選手だ。常に私の最高の姿を引き出してくれたので、永遠に感謝する」と語った。

誰にとっても敗北は避けたいことだ。しかし、それに正面から向き合い克服することが再び飛躍する近道である。「自己批判スピーチ」で試練を経験したサバレンカは、今シーズン最後の四大大会である全米オープンで優勝を果たした。サバレンカは優勝スピーチで、準優勝に終わったアマンダ・アニシモワ(24・米国)に向けてこう語った。「四大大会決勝で敗れることがどれほどつらいか、誰よりもよくわかっている。しかし、それだけの価値があるはずだ。私が保証する」。