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「韓国系を狙った奇襲取り締まりに衝撃」 工場建設を停止、外出もせず

「韓国系を狙った奇襲取り締まりに衝撃」 工場建設を停止、外出もせず

Posted September. 08, 2025 08:46,   

Updated September. 08, 2025 08:46


「韓国系を狙った意図が不明確で、突然の取り締まりに大きな衝撃を受けた」

米ニューヨークで移民権益活動を行っている米州韓人奉仕教育団体協議会のキム・ガプソン局長は6日(現地時間)、東亜(トンア)日報の電話取材に対し、恐怖と怒りが韓人社会に広がっていると話した。

米国で海外グローバル企業の大規模投資の事例の一つとされる、ジョージア州サバンナの現代(ヒョンデ)自動車・LGエネルギーソリューションのバッテリー合弁工場(HL-GA)に4日、米移民当局が突入し、韓国人従業員約300人を逮捕・拘束したことで、同盟国であっても「安全地帯はない」という認識が急速に広がっている。

サバンナ現地に従業員を緊急派遣し、通訳など拘束されたHL-GA従業員を対象に支援活動を行っているキム局長は「今回の取り締まりでジョージア州全体で新規工場建設に大きな支障が生じていると把握している」とし、「一部の韓国企業は万一の事態に備えて先手を打って工場建設を一時停止する決定をしたと聞いている」と話した。

●韓国企業が多数進出しているジョージア州で発生、「さらに衝撃」

ジョージア州は韓国の対米投資の拠点とされている。現代自動車グループ(サバンナ)、SKオン(コマース)、ハンファQセルズ(ダルトン)など韓国企業が110社以上進出している。韓国企業の地域社会への貢献度が高いジョージア州で、韓国人を狙って米国土安全保障省(DHS)傘下の移民税関捜査局(ICE)、連邦捜査局(FBI)、麻薬取締局(DEA)など連邦機関が協力して過去最大規模の移民取り締まりを行ったことで、韓人社会が感じる裏切りも非常に大きい。

ある現地の韓国系は、「週末を前に韓国人でにぎわっていたコストコや市内の飲食街ががらんとしていた」と語った。そして、「不当な取り締まりで被害を受ける可能性を懸念し、外出を控える韓国人が多い」とし、「韓国企業の投資のおかげで景気が活性化していた地域が直撃を受けかねない」と付け加えた。

アトランタを拠点都市とするジョージア州は、米50州の中でカリフォルニア、ニューヨーク、テキサス、ワシントン、ニュージャージー、イリノイ州に次いで韓国系の数が7番目に多い地域だ。2023年の在外同胞現況によると、ジョージア州にはアトランタを中心に韓国系米国人(市民権者)、永住権者、留学生、駐在員など計10万2061人が居住していると推定されている。これはジョージア州人口の約1%にあたる。

韓国系のサム・パク下院議員(ジョージア州)などジョージア州議会の民主党所属の議員らは「トランプ式の恐怖と分断の政治に染まった取り締まり」とし、「ジョージア州の繁栄に貢献する工場を建てるために命をかけて働く非白人労働者を意図的に狙った」と指摘した。アンディ・キム上院議員、デイブ・ミン下院議員、マリリン・ストリックランド下院議員ら韓国系民主党議員が所属するアジア・太平洋諸島系米国人コーカス(CAPAC)は、「トランプ政権が定めた強制送還の割当を満たすために非白人移民の職場を狙っている」と批判した。

●他地域の韓国系事業者への取り締まり拡大を懸念

トランプ政権の大々的な移民取り締まりが、他地域の韓国系事業者にも拡大するのではないかとの懸念も大きい。HL-GA取り締まりの前日の3日、カリフォルニア州ロサンゼルスのコリアタウンでも移民当局の奇襲取り締まりが行われた。同日、韓国系所有の洗車場にマスクで顔を隠した税関・国境警備局(CBP)の職員が現れ、10分余りでラテン系従業員5人を逮捕したという。コリアタウン移民者労働者連合(KIWA)は「非人道的で突然の取り締まりが地域社会を極度の不安に陥れている」と批判声明を出した。

取り締まりが例外なく突然行われた点も不安を強めている。移民当局は、韓国人従業員にケーブルタイの手錠をかけ、列に並ばせた後、カバンを捜索する様子を撮影し、SNSに投稿した。特に、トランプ大統領が5日、「(逮捕された韓国人は)不法滞在者と認識している」と発言したことをめぐって、トランプ支持層の一部が強く持つ「外国人は犯罪者」という人種差別的認識に油を注いだという指摘が出ている。

キム局長は、「最近の移民当局の取り締まりと逮捕は、非白人移民コミュニティを中心に行われている」とし、「今回のHL-GA事態も『米国を再び白く(Make America White Again)』と表現されるトランプ政権の移民取り締まりの特徴が現れたと見ることができる」と強調した。


イ・ジユン記者 フォークストン・サバンナ=イム・ウソン特派員 asap@donga.com