
2022年2月のウクライナ戦争勃発後、ロシア軍が拉致したウクライナの青少年のうち、少なくとも2人が北朝鮮で強制収容生活を送っているという証言が米上院で出た。2人は北朝鮮の軍事収容施設に強制的に送られ、反米・反日思想を注入されたという。
3日、ウクライナメディア「キーウ・インディペンデント」によると、「ウクライナ地域人権センター」所属弁護士のカテリナ・ラシェウスカ氏は同日、米ワシントンで開かれた上院公聴会に出席し、ウクライナの未成年者の強制拉致および収容の実態について証言した。
ラシェウスカ氏は「確認された拉致児童は、ウクライナ・ドネツク出身の12歳ミーシャさん、シンフェロポリ出身の16歳リザさんだ」とし、「それぞれ故郷から約9千キロ離れた北朝鮮のソンドウォン収容所に送られた」と主張した。同氏によると、2人は北朝鮮から「日本の軍国主義者を破壊せよ」と教育を受け、1968年に米海軍艦艇プエブロ号を攻撃して米兵9人を殺害した北朝鮮軍関係者とも会ったという。
ウクライナ政府によると、ロシアは戦争勃発後、ウクライナ占領地から少なくとも1万9546人の子どもを拉致しロシアへ強制移住させた。このうち少なくとも2人が北朝鮮へ強制移送されたという証言が出たのは今回が初めてだ。ドイツ・テュービンゲン大学韓国学センター、ポーランド国家記録院などによると、北朝鮮は韓国戦争直後、数千人規模の戦争孤児を中国、ルーマニア、ハンガリーなどに送り、イデオロギー教育を行った。
ロシアに拉致されたウクライナの子どもの多くはロシア家庭に養子に出されロシア語教育を受けている。特に戦争中に両親を亡くしたウクライナ孤児はロシア国内の強制収容所に閉じ込められ、軍事教育まで受けているとされる。ラシェウスカ氏は、ウクライナの子どもが収容されている施設は165カ所にのぼり、北朝鮮、ベラルーシにも存在すると主張した。
ウクライナ内では最大30万人の子どもがロシアに拉致されたという主張もある。ウクライナのゼレンスキー大統領は1日、「ロシアに拉致された子どものうち1859人しか帰還していない」と述べた。国際刑事裁判所(ICC)は2023年3月、児童強制拉致など各種戦争犯罪に関与した疑いで、ロシアのプーチン大統領に逮捕状を発付した。
柳根亨 noel@donga.com






