
「歴史上最も偉大なニューヨーク市長であり、偉大な米国人であるジュリアーニ氏に『自由勲章』を授与する」
トランプ米大統領は1日、かつて自身の個人弁護士であり、1994~2001年に最大都市ニューヨークの市長を務めたルドルフ・ジュリアーニ氏(81)に、民間人の最高の栄誉である「大統領自由勲章」を授与すると発表した。授与の日時や場所などは後日通知すると付け加えた。ジュリアーニ氏は、トランプ氏が破れた2020年の大統領選挙が「不正選挙」だと繰り返し主張し、弁護士資格を剥奪され、巨額の賠償金のために個人破産を申請した。
「大統領自由勲章」は、過去に人権運動家マーティン・ルーサー・キング牧師やロナルド・レーガン元大統領に授与された栄誉ある勲章だ。トランプ氏は各種の政治的論議にもかかわらず、ジュリアーニ氏に対する強い信頼を示し、今年6月には国土安全保障省傘下の諮問委員に任命した。今回の勲章授与もその延長線とみられる。
イタリア系のジュリアーニ氏は1944年、ニューヨーク・ブルックリンで生まれた。ニューヨーク大学ロースクールを卒業し、法曹人として活動した。83年にニューヨーク南部地方検事に就任したジュリアーニ氏は、当時凶悪犯罪が蔓延していたニューヨークで主要なマフィア組織を掃討し、ウォール街の各種ホワイトカラー犯罪も大々的に捜査して大きな人気を得た。
ジュリアーニ氏はこの勢いに乗り、94年に民主党の牙城であるニューヨークで異例にも共和党所属で市長に当選した。2001年の「9・11テロ」が発生した時には前立腺がんの闘病中にもかかわらず、テロ現場での救助および復旧作業を指揮し、「米国の市長」と呼ばれた。
トランプ氏がジュリアーニ氏に勲章を授与しようとするのも、9・11テロと関連があるという見方もある。テロから24年となる11日を前に、核心支持層である強硬保守の有権者を結集させ、大統領選挙不正の主張を再び強調する狙いから、ジュリアーニ氏を起用したということだ。
ジュリアーニ氏は20年の大統領選挙当時、不正選挙の陰謀論拡散に関与し、各種の虚偽主張を広めたという理由で、ニューヨーク、首都ワシントンなどでの弁護士資格を剥奪された。昨年7月、裁判所はジュリアーニ氏に1億4800万ドル(約2072億ウォン)の賠償を命じた。ジュリアーニ氏は賠償金を払えず、個人破産を申請した。
ジュリアーニ氏は先月30日、ニューハンプシャー州で交通事故に遭い、脊椎骨折や多発性裂傷、打撲などの重傷を負った。ジュリアーニ氏の一部支持層の間では、事故が故意に引き起こされた可能性を疑う声も上がっているが、ジュリアーニ氏自身はこれを否定している。
アン・ギュヨン記者 kyu0@donga.com






